むーちゃん
むーちゃんは、シロイルカ。大きい。
覚えていないけど、わたしが小学校にあがる前くらいからいる。
めちゃくちゃお気に入り!ずっと一緒!というわけでもないけど、かと言って疎遠になることもなく、付かず離れずという感じでずっといる。
高校生の頃、部活の試合にぬいぐるみを持っていくようになった。彼らは試合前の不安を和らげてくれる。
むーちゃんは大きいのでいつもは持っていく組に入らないのだけれど、一度だけ試合について来たことがある。部活のみんなと一緒じゃなくて、父についてきてもらって1人で出た県外の試合だった。チームメイトもいなくて、県外で、不安が大きかったんだと思う。
この時、むーちゃんと同じくらいの大きさのペンギンを連れたお姉さんに出会ったことをよく覚えている。お姉さんかお兄さんか分からないような、中性的で美しいひとだった。
コーチつながりでお話することができて、彼らの名前も聞いた。
細かいことは覚えていないけど、お姉さんはごく当たり前のことだというように彼らについて喋っていた。大きいぬいぐるみを連れた大人のひともいるんだな、大人になってもぬいぐるみたちと一緒に居ていいのかもなと、このとき思った。
別れる時には、お姉さんのペンギンがぺよぺよと手を振ってくれた。