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日記#02 緩和ケアのこと

2023/08/09

今日は病院受診日。といっても主治医キリスト先生のそれじゃない。ペインクリニックで精神科の先生の診察と緩和ケアのカウンセリング。

ペインクリニックっていうのは名前通り心身の痛みをどうにかしたり和らげたりするための診療科。緩和ケアは私は最初これをターミナルケアと混同してて、がんになる前病院で緩和ケア科の文字を目にするたび、ここに終末期の患者さんが来てるんだろなって思ってた。実際は終末期に限らず、がんと診断されたその時から受診することのできる所。がんに伴うあらゆる苦痛、辛さに対応している。

私は今の所身体的な苦痛には苛まれていない。手術で子宮と卵巣取る前は下腹部痛いし血は出るし、いかにもやべえ病気って感じだった。だけど原発部位であるそれらが無くなった今、痛みも出血も当然ながらない。体的にはあまりにもしんどくなくてマジでまだやべえの?って感じだけど、いまもって飲み薬タイプの抗がん剤(バリくそ高い。限度額なんとかの制度なかったら無理)、ゼジューラってやつを飲んでる以上私はおもくそがん患者なのだと思う。まだ飲み始めて2週間程度だから、今後薬に関してどうなるかはまだ分からんけど、ストーマ閉鎖手術あるからあと最低一回は入院することになるね。

それはそうと緩和ケアなんだけど、私はここで心理士さんのカウンセリングを受けている。ペインで精神科の先生に診ていただいてるって事からも分かるように、体はともかく心的には結構キツいことがあるんだよね。

もちろんがんってことで最初はショックバチクソ受けたし、がんなことが私の心に影を落としていないとは言えないんだけど、しんどいのは主に家族というか、親のこと。

私ずっとがんになる前は引きこもってたんだけど、そのことに関しても親は何一つ助けになってくれなかった。引きこもりって、世間ではそれだけでもう否定してくる奴いるじゃん。お前に直接迷惑かけてねぇのに何勝手な攻撃してきてんだよボケ、ってそういう連中には思う。知性がないんだよね。で、自分の人生のキツさはお前らさぼってる引きこもりのせいだ、みたいなトンデモ意見かましてたりする。この日記見てる人の中にそういうド低脳がいないことを願うよ。

ともかく私は引きこもっていて、その間誰も助けてくれなかった。結構な年数だったよ。でも医者もカウンセラーも家族や身内も、助けてくれた人誰もいなかった。アウトカーストのクズ扱い。酷いよね。だけどキリスト先生にまず出会って、そこから病院で色んな助けてくれる人、優しい人、賢い人、実力ある人に出会った。入院中は特に。

だから退院して家帰ってからがほんとにキツい。家には賢い人も優しい人もいない。助けてくれる人もいない。それで辛くなって、入院中すでにキリスト先生が緩和ケア手配してくださってたんだけど外来でもお願いしたかったからそう言おうと思ったら私が言い出す前に打診してくださった。キリスト先生まじで察しが良い。

で、先生が手配してくれたその日に緩和ケア科に行ったら、まず看護師さんにお話聞いてもらった。この方は抗がん剤専門の看護師さんで、入院中来てくださってた緩和ケア専門の看護師さん(看護師さんにも色んな専門があるのだ)と一度一緒に来てくださってた。だから初対面じゃないんだけど、その時は挨拶程度だったからどういう人か分からんかった。
取り敢えず抗がん剤の痺れの副作用あったからそれについてお尋ねした。ずっとは続かないけどどのくらいで回復するかは個人差あるよって教えてもらった。それから家族がしんどいってことをお話しした。がんに直接関係ないこと話して申し訳なかったからそう言ったら、大丈夫、家族のことで悩んでる人結構いるからって言っていただいた。ありがたかった。何か必要なことないか聞かれたから心理士の方に面談していただけますかって聞いてみたら二つ返事で手配するよってすごい。日時決まったら電話するねってその翌日にもう電話かかってきてその次の日が初面談になった。この看護師さんはほんと頼りになる姉御肌の人で、お会いできて実に良かったと思ってる。

そして3月に心理士さんによる面談が始まった。抗がん剤の看護師さんによれば経験豊富な心理士さん。そして優しい方だって。実際優しそう。でもこの方は3月いっぱいで辞めるのでその後は別の方になる。それでもいいからって面談をお願いしたんだけど、それは退院後初の抗がん剤点滴が控えていて、それまで少しでもメンタル状況を良くしたかったから。キリスト先生は気持ち的に無理なのに抗がん剤を続けるとかはしないって仰ってくださったけど、ご迷惑をおかけしたくないし点滴は予定通りやるつもりだった。そして面談だけどすごい話しやすい。過去にカウンセリング受けたことあるけど雲泥の差。それに緩和ケアの心理士さんだからがんのことも分かってる。この上なく頼もしい。なんかコロナから回復したばかりとかでくしゃみをして「おっさんになるとくしゃみがでかくなる」って仰ってたけど言うほどおっさんには見えなかった。とにかくそういう面白い感じの方だった。この方には計3回面談していただいて、4月からは新たな心理士さんによる面談が始まった。

最初の方とは違って女性。一度最初の方の時点滴中にご挨拶したけどその時はどんな方か分からず少し不安だった。真面目な人だったらやだなって思った。この大学病院で会う先生たちは概ね若くて(50代以上に見える方には滅多に会わない。キリスト先生も見た目30代くらい)いい意味で砕けた感じで、それは緩和ケアで会った皆さんもそうで、そういうノリが私は好きだ。で実際に面談が始まったら全然心配することなかったって分かった。とにかく話しやすいのは最初の方と同じで、雰囲気とかパーソナリティとかは違うけどこの方も心理士として優秀な方に違いないと思った。今日も面談だったけど、捗ったよ。まっとうな心理士さんとお話しするとこんなに捗るんだなって緩和ケアのお二人のおかげで知った。

これからも緩和ケアの心理士さんにはお世話になるし、体が辛くなったらそれ専門の方のお世話になると思う。とにかく、がんに直接関係あることでもそれ以外でも助けになってくれる人たちに出会えてよかった。

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