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日雇いバイトの倉庫で聞いた世知辛い現実(2017年3月18日)

※これは2017年3月18日に書いた記事です


無事にアルバイト期間を終えて無職に戻りました。

これからどうするかはちょっと落ち着いてから考えてゆきたいと思います。


だいたい3ヶ月ほど働くことができたので、体力も少し付けることが出来たでしょうし、どん底まで落ちていた自信も少しは回復出来たように思います。






日雇いバイトにて

先日までやらせてもらっていたアルバイトは事務作業でしたが、1年くらい前には日雇いのアルバイト会社に登録していました。

日雇いなら出勤日をコントロール出来るので、体調が悪くなりそうな雰囲気を感じ取ったら勤務日を少なくしたり出来るという利点があります。

お給料も1ヶ月待たなくても手に入るというのは良かったですね。


コンビニ商品のピッキング

だいたい1ヶ月ほど登録していた中でやったお仕事は、『コンビニ商品のピッキング作業』というものでした。

「誰でも出来る簡単作業」「コンビニで並ぶ商品なのでそこまで重い物もありません」という求人記事を見て、『このぐらいなら出来るだろう』と思って始めたバイトでした。


作業自体はたしかに誰でも出来るもので、商品がどっさりある倉庫内を目的の商品を探してかけまわるだけです。

「重い物がない」という事でしたが、ハッキリ言えば重いものはあります。

具体的には飲料の類です。

例えば2Lのペットボトル1本だけならそんなに重くないですが、それが詰められたダンボールは重いです。

単純計算で2Lのペットボトルが6本詰まったダンボールは12Kgあります。

それを棚から取って台車に乗せるわけです。

そして辛いのは圧倒的な物量です。


開始から休憩まではだいたい3時間ほどありますが、その間はずっと動き続けることになります。

ビールのダンボールを棚から取っては台車に乗せ、台車を押して次の棚に行って炭酸飲料が詰まったダンボールを棚から取っては台車に乗せて・・・を繰り返していきます。

台車自体はとても軽いです。当たり前ですね。

ですが商品をどんどん乗せていき、積んだ商品が腰の高さを超えた辺りからとても重くなります。

胸の辺りまで積んだ頃には、体重を思いっきりかけて押さないと進んでくれません。


全身を使うエクササイズをやっているような感覚で、汗がとめどなく出てきました。

帰る頃には腕に力は入りませんし足取りもフラフラになり、身体は常に筋肉痛になっているような感じでした。

とはいえ、「お金をもらってジムに来ているようなもの」と考えれば不思議と悪い気はしませんでした。


そしてこの作業、基本的には荷物を集めてくるだけなので、人との関わりが非常にすくないのです。

最低限のコミュニケーションをとることは求められますが、コツコツと一人で進めていけるのは精神的にはとてもらくでした。



日雇いバイトにはいろんな人がいる

その倉庫では、見える範囲で30人ぐらいが働いていました。

その中で社員さんは5人、その他はみな派遣会社から斡旋されているバイトさんとのことでした。

自分が登録していた会社からは6人ぐらいが来ており、古株の方がリーダーになっていました。


その方やサブリーダーの方には休憩時間などによく話しかけてもらいました。

やはり日雇いバイトに来るような人は、それなりの事情を抱えた人が多いそうです。

実家が自営で稼ぎに来ている人、飲食店を経営していたが潰れてしまい他の仕事の合間に来ている人、普通の職につけない人・・・。

体感では気のいい人が多かったのですが、やはり中にはすぐに怒り出す人やピリピリしている人、おそらくアスペルガーのような障害を持つ人などもいらっしゃいました。


このアルバイトをした中で、一番辛かった、というか嫌だなと思ったことは、さっきまで普通に会話していたように見えた人達が、ある人がいなくなるとその人の悪口を言い出した時でした。

『え・・・さっきまで楽しそうに話してたじゃんか・・・仮に嫌いでもそれを言わなくてもいいのに・・・』

そう思いました。

その時は、その『ある人』が対象だったわけですが、自分が気づかないところで自分もそのように悪口を言われているかもしれない、そんな疑心暗鬼を抱くことになります。

それは自分にとってとんでもないストレスでした。



貴重品の管理

作業中は基本的に動き続けるので、必要なものしか持っていませんでした。

財布やスマホ、鍵などの貴重品は小さいロッカーに入れることになっていました。

自分は基本的に財布をそのロッカーに入れるようにしていたのですが、ある時リーダーが昔あった事件の話を聞かせてくれました。



リーダー「そうそう、貴重品はそうやってロッカーに入れといた方がいいよ。カバンはここ(休憩室)に置きっぱなしで盗難し放題だからね」

ワイ「そうですね、休憩にならないと人もいなくなりますもんね」

リーダー「昔ね、財布盗まれた人がいて、数十万単位で被害があったらしいよ」

ワイ「・・・(ゾッ)」



日雇いバイトには色んな人が稼ぎにくるのです。

金銭的に余裕がない人も多いでしょう。

『永く居ていいところではないな』、そんな事を思ってしまいました。



日雇いではない事務バイトでは

そんな日雇いバイトを経験した後に勤務した事務のアルバイト先では、上着やカバンを入れておくための個人用ロッカーがありました。

ただ自分の場合は期間限定の増員だったこともあり、現場作業メインでオフィスにあまり来ない人のロッカーを間借りさせてもらっていました。


ロッカーはオフィス内にはありましたが、陰になる場所だったので人のロッカーを開けてもおそらく気がつかないことでしょう。

鍵がかからないタイプのロッカーだったので盗難をしようと思えば出来てしまう状態でした。

もちろんそんなことをする人はその会社にはいませんでしたが、日雇いバイトで聞いた事が頭をよぎることがありました。



しかばね一葉






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