それでもアベ政権は続く

かつしん

Twitterで親アベ派と嫌アベ派の両方をフォローして感じたこと。結論としてはタイトルのとおりですが、なぜそういう結論に至ったのか？を記載しています。(ちなみに私はガチの嫌アベです)

親アベ派と嫌アベ派の大きな違い

親アベ派と嫌アベ派には、同じ側の人が「失言」「失敗」した時の反応に大きな違いがあると感じました。

親アベ派はどんな内容でも擁護します。

たとえば新型コロナウイルス対策の一つである「アベノマスク」。擁護できるところなんてこれっぽっちもないと思うわけですが、彼らにかかると「マスクが市中に出回るようになった。価格が安くなった。アベノマスク効果だ！」と絶賛します。(単に中国と韓国が抑え込みに成功してマスクがだぶついただけです。加えて孫さんの3億枚/月の供給)

そして全般的にも「人口あたりの死者数を見るとG7諸国と比較して圧倒的に日本は成功している」と主張します。(日本の比較対象国として適切なのは台湾、韓国ですが誰も指摘しません。補償の大きさや迅速さについても同様。)このように親アベコミュニティでは、その発言が論理的かどうか？解釈が偏ってないか？事実に基づいているか？は一切問われません。「わかりやすい感情の発露」が好まれるようです。

一方、嫌アベはどうでしょうか？同じ価値観を共有している人の発言でも「よくないものはよくない」と指摘します。たとえばアベ政権に対して痛烈な批判を繰り返すきっこ氏( @kikko_no_blog )の以下の投稿。

日本中から嫌われてる最低最悪のクソ女、安倍昭恵だが、こんな豚女に
もたった1つだけ良い点がある。それは安倍晋三の子どもを産まなかっ
たことだ。もしもこの史上最悪のパカップルに子供が生まれていたら、
稀代の国賊である岸信介の呪われた血が次の世代にまで受け継がれてい
るところだった。昭恵GJ!

さすがに「これは度を越しています。」という指摘が相次ぎ、きっこ氏はツイートを削除して謝罪しました。

ここで注目したいのは、指摘をしているのは嫌アベ派の人々だったことです。(親アベ派は、これはチャンス！とばかりに「これがアベガーの本性」と罵るばかりだった印象です)

このように、嫌アベ派は、同じ価値観を共有する人の発言であっても「良識から外れた」場合や「論理的におかしい」場合は、理性的に指摘します。(もちろん理性的な人ばかりでなく、少数ですがきっこ氏の発言を盲目的に支持する人がいたのも事実です。)

結論としてアベ(的な)政権は続く

ほんと、ため息しか出ないのですが、これがぼくの結論です。

理由は簡単です。親アベコミュニティは、その仲間にとっては「温かい」「いごこちがよい」からです。「清濁併せ呑む(というか濁を歓迎)」とも評されるかと

親アベ派がなにかしらの主張・情報を評価する時のものさしは「誰が言っているか？誰がやっているか？」がすべてです。アベさんや同じ「親アべ(もしくは旧民主党、マスコミ、韓国、中国が嫌い」という価値観を共有する人の言うこと・やることは、内容に関わらず全面的に「支持」「同意」します。倫理、論理・建設的批判は存在しません。極めて情緒的です。

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【20/06/09追記】上記の考察(=親アベ派は仲間に温かい)には考慮不足があるようです。弱い人が弱いうちは一緒に揶揄するが、相手が本気を出してきて、自分に火の粉が降りかかる恐れが出てくると擁護するどころか知らんぷり？なんかよくわかりません…。考察が浅くてすいません。

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嫌アベ派はその逆です。「何を言っているか？何をやっているか？」が重視されます。同じ「嫌アベ」派の発言でも「間違っている」と思えば指摘します。情緒より理性や論理を重視します。

ここでみなさんに聞いてみたいのですが、

・あなたが失言や失敗を犯した場合、どちらの陣営が「居心地がよい」でしょうか？

文句なしに「親アベ派」です。人間は「論理」でなく「感情」の動物です。親アベ陣営は仲間にはこの上なく優しい(というか甘い)のですから。一部の人にとっては家族・家庭のようにかけがえのないものだと思います。

・どちらの陣営が多数派になるでしょうか？

これも親アベ派です。論理的かどうか、事実関係はどうかなど細部は関係ありません。「親アベ」という一点が一致してればそれで「同士」です。

結果として一大勢力を形成します。

逆に嫌アベ派は、総論(嫌アベ)は一致していても、細部の見解は人それぞれなので勢力を形成できません。倫理的・論理的に間違っている/共感できないことは許せない。誰かの意見を鵜のみにすることも無いし、そもそも群れることが嫌い。いわゆる「一枚岩でない」という状況。野党の足並みが揃わない。統一政策を打ちだせないのと同じ構図です。

衆院選、候補調整進まず　コロナ影響、解散観測後退で　野党

もう一点

Twitter等で安倍信者を非難・論破したつもりになって悦に浸っている人が見受けられますが、逆効果です。ますます頑なにさせるだけだと思います。

・アベ政権は続くのか？

現在の選挙制度(絶対得票率20%以下・有効得票率35%でも過半を占められる)が続く限りアベ政権もしくはアベ的政権が続くことが確実です。

選挙に勝つのは簡単です。

・記録や統計の改ざん・・・記録は極力残さないようにします。都合の悪い情報は廃棄したことにします。情報隠蔽の協力者にはしっかりと報います。統計も都合の良いように集計方法をかえます。
・強弁・・・失策が表面化しても、ネトウヨが作成したまとめサイトに書いてある情報を使って強弁・反論します。内容が稚拙だったり不合理であっても気にしません。コミュニティ内の支持だけを得られればいいのですから。
・いよいよ言い逃れ出来なくなった場合でも、当事者に「厳重注意」すれば「責任」は果たしたことになります。
・やってる感を出す/道半ばと繰り返す・・・具体性のない情緒的な言葉(「全力で」「躊躇なく」「一丸となって」)でやってる感を演出します。内政も外交もどれだけ時間とカネを使って確たる結果が出なくても「道なかば」「今が正念場」と繰り返していれば問題ありません;。
・政治不信を高める・・・汚職議員を温存・登用して政治不信を高め選挙を棄権する人を増やします。(これは鉄板支持層をもつ政党には有利に働きます。特に一位総取りの小選挙区制度では威力を発揮します)
・アメをぶら下げる・・・総仕上げとして選挙直前に「XX無償化」というアメをぶら下げます。

さらに、「国土強靭化」と称して付加価値の低い旧来型産業に莫大な税金を投入して子・孫世代への負の資産を積み上げると同時に票田(とバックマージン)を確保します。教育投資はOECD諸国で最低レベル。成長産業には規制をかけて足を引っ張ると同時に利権を拡大します。この実社会での利権層とSNS上の親アベ・コミュニティがアベ政権の鉄板支持層と思われます。

で、どうする？

上述した考察が正しかった場合、日本はどうなっていくのでしょうか？

政治家も官僚も体制批判は許されず、権威・権力に媚びるYESマンが出世するでしょう。汚職・不正がはびこるでしょう。優秀な人材は政界や官庁を目指さなくなり、さらに劣化が加速します。

※6月10日にキャリア官僚応募者が過去最小になった記事を追加

実際にこれが現在の政治と行政の劣化の原因だと思います。都市部に住む優秀な人材で政治家・公務員を目指す人材っているんでしょうか？民間のほうが遥かにオープンでスピーディで先進的で有能な人たちと働けるわけですから。自民党の麻生さんに代表されるようなプライドが高く、時代錯誤で、パワハラ気質をもつ知的能力・好奇心が低そうな人と働きたい人っているんでしょうか？以下のような人は例外だと思います。報われて欲しいですね。

生産性の低い産業に莫大な税金を投入する一方で、教育投資はOECD諸国で最低レベル。成長産業には規制をかけて足を引っ張ります。

メディアも骨抜きにされます。GAFA批判のいきつく先はネット規制・言論統制でしょう。SNSでは愛国をビジネスにする人々が市民の分断を煽ります。

政治不信が高まりますます投票から遠ざかる人が増えるでしょう。これは鉄板支持層を持つアベ(的)政権には好都合です。負のスパイラルが加速します。

ただでさえ、少子高齢化で2035年頃までは財政が圧迫され続けるという不利な状況です。

新型コロナウイルス騒動で多くの面で世界との差・後進性が容赦なく可視化されましたが、この差は開くばかりでしょう。

今後、日本で頑張っても(海外の国と比べて相対的に)報われなくなる のは確実です。(というか既にそうなってます。例えば理系最優秀層のTech企業での待遇は 中国 > 米国 > 韓国 >>> 日本 になっています。台湾にも抜かれるでしょう。)

個人として、幼い子どもを持つ父親として、どう身を処していくのか？
日本人として国を憂う気持ちは当然ありますが、いったいどういった貢献ができるのか？
ブラック企業に足を踏み入れてしまった場合にやることは「逃げ出すこと」と言われます。中小企業レベルの改革でさえ難しいのに国家レベルの改革なんて…。
真剣に考えなければいけません。

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