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ChatGPTを活かすために必要なことは

Google for Education認定トレーナー/コーチの笠原です。

今日から仕事始めの方も多くいるかと思います。自分も明日から仕事が始まります。

新年が始まり、今年も生成AIの活用が広まる年になるだろうなぁということで、去年一年間使ってみて感触を、今回は雑談的に書いておこうと思います。

基本的なTipsは揃ってきた

かなり多くの人たちが生成AIの活用のために時間を割いて検討を行っているため、ChatGPTを上手く活かすためのTipsは揃ってきたように感じます。

特に「プロンプト」が上手いか下手かで得られる情報にかなり差があるということはくり返しいわれており、どのようなプロンプトを書けば比較的よい出力を得られるかというノウハウもだいぶ共有されてきています。

田中善将先生の上記の動画と配布されているプロンプト集を勉強すれば、基本的な学校での仕事のニーズはだいたい満たせると思います。

今後、GPTsが共有されるようになってくると、もしかするとプロンプトを書く必要性もただ使う分には小さくなる可能性はあります。今年がどのような展開を見せるかは楽しみなところです。

簡単に使えるけれども…?

おそらく去年の公開されたばかりのChatGPTの生硬さはだんだんと薄れていき、そのうちにもっと一般的に使いやすい形で共有されていくツールになる可能性はあるだろうなと思っています。

ただ、生成AIに関しては登場の当初からハルシネーション(幻惑)があるので情報の裏取りが必要だということやバイアスがかかるということなどが言われていますが、そういう弱点は簡単には解決しないだろうということも予想されます。

どういう道具であっても、長所短所があることは仕方ないことであるので、そういう特性を踏まえて利用していくことになるのだろうと思います。

ただ、そういう「弱点」よりもより深刻になりそうなこととして考えていることがあります。今まで以上にテキストコミュニケーションの力によって得られる成果の差が生まれていくということ、つまり「欲しいものを言語化する力」が必要になるだろうということです。もしかするとそれより手前の「自分が何をしたいのか」ということを自覚する力が必要なのかもしれません。

そして、それは学校の今の様子だと非常に相性が悪いと思っています。

テキストコミュニケーションは難しい

残念ながら、今の学校の現場はそれほどテキストコミュニケーションの力は強くないです。だからこそ、何かあればすぐ電話やFAXに頼っているわけですから。

例えば、業者に対して必要な情報を渡しつつ相手に必要な行動をしてもらおうとする時に、メールで適切に連絡できるかどうか。多くの場合、電話をして空気を読み合って、落とし所を探るようなコミュニケーションを取っているケースが非常に多いですね。

学校に出入りする業者はびっくりするほど学校に足繁く通ってコミュニケーションを取ろうとしてくれます。それはおそらく対面でないと適切な意思疎通が出来ないという判断なのでしょう。また、対面で話す中で、学校の要望を良い感じにまとめることがサービスになっているのかもしれません。

しかし、生成AIの活用という文脈で考えていくと、そういう学校のコミュニケーションのスタイルは、おそらくAIの活用とは非常に相性が悪いと思うのです。

出入りの業者であれば、発注する側に明確な要望が固まっていなかったり明瞭な説明ができていなかったりしても、相手が気を利かせて「欲しいもの」について形を作っていけるかもしれません。

しかし、生成AIはこちらが明確な指示を出さなければ、得られる成果はあいまいでぼやけたものにしかなりません。

学校の中で行われているコミュニケーションのスタイルが、割とあいまいな会話の中でなんとなく落とし所を探っていくようなやり方が非常に多いことを見ていると、そういうコミュニケーションに慣れてしまっていることを自覚して、それとは異なる言葉の使い方を身につけていかなければいけないのだろうと感じます。だからこそ、慣れ親しんだ言葉を離れなければならないからこそ教員にとって生成AIの活用はハードルが高いのかもしれません。

必要なことを決める主体性を

生成AIの活用で試されていることは「自分が何をしたいのか」ということを自分で決められるかという主体性なのかもしれません。

やや誇張めいた言い方をするのであれば、生成AIを使えば学校でやりたいことは「なんでも出来る」とも言えます(倫理的な問題、実際の手間などの問題は度外視した言い方ですが)。

何でも出来るからこそ「自分が何をしたいのか」ということを考えなければ、生成AIの活用は生まれないのだと思います。もし、「やりたいこと」が出てこないのであれば、企業の製品で「やりたいこと」自体を買うしかなくなると思うわけです。そういう他所から持ってくる「やりたいこと」が本当に教育として合理的なのかは自分には判断はつきません。

自分が何をしたいのか」を決められれば、後はChatGPTは対話型の生成AIですから、粘り強くトライアンドエラーをくり返せば、いつかは自分の欲しいものを得られる訳です。

学校の中でのテキストコミュニケーションが難しい理由も、もしかすると「やりたいこと」をはっきりと言うことが色々な理由で難しいからかもしれません。

明確にやりたいことを言い切る言葉を持つこと、そこがChatGPTの活用のスタートであり、学校が超えるにはなかなか高いハードルなのかもしれませんね。

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