共同編集という目標
Google for Education認定トレーナーの笠原です。
一人一台端末を持った新入生達を迎えて早二ヶ月が経とうとしています。あっという間の二ヶ月の間に、生徒達がどのくらい端末を使いこなせているのかという現実をお伝えします。
地味な日々の活用
生徒が一人一台端末を持った状態で二ヶ月が過ぎましたが、例年と比較して何か生徒の気質に大きな変化があるわけではありません。
教員が期待するほどに学力向上にICT端末が役に立っているということもありませんし、ICT端末のせいで生徒の生活習慣が壊れてしまって学力が下がっているということもありません。
教員が期待する「学力」という観点からすると、なんとも変化がないと思われる先生方は多いのではないかと感じます。
授業内での端末の活用については、自分はGoogle for Education認定トレーナーということもあり、他の先生方に助言をすることも多いのですが、「しばらくの間は教科の授業では無理して使わなくてもよいですよ」ということはお伝えしています。
その代わり、ホームルーム活動や探究学習では、色々とアイデアを共有しながら積極的に使ってもらうように呼びかけています。
結果的に、毎朝の連絡は担任の先生方がGoogle Classroomを通じて生徒に配信を行っていますし、バスダイヤなどの細々とした連絡事項もGoogle Classroomで頻繁に連絡を行っています。
その結果、生徒達は毎日Chromebookを学校で開いて自分の予定を確認したりちょっとした質問をGmailで先生に送ってみたりするなどChromebookを開いて何かしているというのが自然な光景になりました。
まだまだ勤務校の場合は、Chromebookを持っている学年と持っていない学年が混在しているため、学校の全ての仕組みをデジタル化……とはいかない状況です。しかし、少しずつ色々な情報のやり取りがデジタルで行われるようになっていると感じます。
授業の活用に向けての目標は
授業でChromebookを上手に使えるように、そして活用の幅を広げるために必要なマイルストーンは、「共同編集を戸惑わずに出来るようになること」だと思っています。
Google Workspace for Educationの最大の強みは「共同編集」にあると言っても過言はないと思いますが、実はこの「共同編集」に生徒が慣れるのは意外とハードルが高いのです。
例えば「共同編集」を実践するときにどのようなことが問題になるかと言えば……
Classroomから配信されたファイルの開き方が分からない
開いたファイルをどう操作したら良いか分からない
変な操作をしたら怖くて動かせない
意図しない操作をしてしまって元のデータを壊してしまって焦る
いたずらしたくなる
Classroomから配信されたファイル以外で共同編集ができない
などなど…。
しっかりと生徒達自身で必要に応じて共同編集が出来るようになるには、共有権限についての理解や基本的な操作の理解が求められるため、一人一台端末の良さを活かすために超えるべきハードルがよい感じに含まれていると思っています。
ですから、様々な場面で「共同編集」の方法を生徒に伝えていき、必要に応じて、チャレンジしていく……ということが、一人一台端末のスタートの時期には必要なのだろうなぁとぼんやりと感じています。
教員にとっても同じ
教員にとっても「共同編集」を上手く使いこなせるかどうかは、授業で一人一台端末を安心して使えるかどうかの試金石であるように思います。
上述の通り、「共同編集」のためには色々な知識が必要になるので、その操作に自信をもって取り組めるのであれば、おそらく多くのアプリは問題なく使いこなせるだろうと感じます。
いきなり派手な授業での活用を目指そうとしても上手くいかないのは目に見えています。
1回の授業で1つくらいの新しいことへの挑戦を続けることで、いつの間にか、出来ることが増えている……そのくらいのペースがよいのではないかと思います。
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