抗がん剤による脱毛
術後に抗がん剤治療を受けました。
抗がん剤治療が必要と告げられて最初にしたのが帽子を買うことでした。
脱毛が恐怖だった。
胸を失うことよりも怖かった。
髪をことさら大切にしていた訳ではないのに
髪の毛が抜けることが嫌でした。
抗がん剤治療の前に先生から、髪は抜けます、とはっきり言われました。
脱毛に備えると同時に髪の毛を残す方法を探し
人参ジュースを飲んだり、海藻を食べたり
海外で使われている頭を冷やす機械を参考に
抗がん剤点滴後に頭を冷やしたり(血流が悪くなり抗がん剤が届かなくなる?みたいです)
髪の毛が抜けない方法を自分なりに試しました。
初めての抗がん剤から3週間ほど経った時
髪がごっそり抜けた。
自分だけは抜けないのではないか、という期待の中で。
髪はパラパラというより、ある日突然ごっそり抜ける。
洗い場に散らばる大量の髪の毛を見て、私は、ああ抜けたと冷静に観察していた。
やる事は全てやって抜けたのだから仕方がないと思えた。
あがいてよかった。
納得できなければ、あがいた方がよい。諦めがつきます。
鏡に映る僅かに髪が残り、ほぼ地肌が見える頭は
パンクだった。
夫がショックを受けるだろうと帽子をかぶった。
脱毛中はウィッグや帽子が大活躍。
新しい自分を発見しました。
抗がん剤終了の3ヶ月後にはベリーショートになりました。
脱毛生活中は、とにかく状況に合わせて楽しみ、少しヒヤヒヤして
開き直って、自分以上に自分の見た目を気にしている人はいない、という当たり前のことに気づきました。
自分が納得できればよいのです。髪がない事は誰の迷惑でもないので。