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「THIS IS WATER」フィルター越しの世界

2022/6/24放送のたじと威尊のフロイニで、威尊が最近読んだと言っていた本の話。

作家デヴィッド・フォスター・ウォレスが大学の卒業式スピーチで語ったことを纏めた本。(副題:思いやりのある生きかたについて大切な機会に少し考えてみたこと)

このスピーチは、魚が水を意識していないという話から始まる。
そしてリベラル・アーツとは何か、自由に生きることとは何か、について語られる。

魚は生まれた時から周りにある水がデフォルト設定で、水が何かを知らないように、私たちも、さまざまなフィルターを通して世界を見ているのに、そのフィルターを自覚することは殆どない。
無意識的に世界を見て、何かを信じていたり、考えたりするけれど、この考えどこから来たのかな?初期設定でプログラミングされたものじゃなかったかな?と立ち止まってみることも少ない。

そして、自分にフィルター越しの世界があるように、他者にもそれぞれフィルター越しの世界がある。

色んなデフォルト設定を持った人と関わって生きていくこの世界で、自由に生きるってどういうことなんだろう。
この本では、本当の自由とは、意識的に自分でどう考えるかを選べること、だと伝えているのだと思う。

私たちの毎日は、仕事や家事など退屈なことの繰り返しで、イライラしたり悲しくなったり寂しくなったり、マイナスなことも多いが、そんな毎日をどのように考えて生きていくかは、選択することができる。

デフォルト設定の無意識でいることは、自分のフィルター越しの世界しか見えていないことで、他人の事情を想像して、自分の考えを選ぶことが、副題にあるように「思いやりのある生きかた」なのだろう。

日常的にこれを意識して生活するのって、とても難しいけれど、意識的に他者の世界を想像することで、窮屈な考えから少し抜け出して、自分自身も楽になれるはず。そして、色々なフィルターを持った人がいるからこそ、世の中には色んなものの見方があって、だからこそ面白いし、だからこそ自分自身の考えも深まっていくのだと思う。


威尊はこの本を読んで何を感じたんだろう。

INIは全く違う背景を持った11人が集まり、そこから多くの人が彼らに関わり、きっと色んなしがらみや納得いかないこともあるはず。例え「INIを大きくしたい」という夢や目標が同じでも、色んなフィルターを持った人が色んなことを言う。オタクから見たINIは、いつも思いやりを持っていて、他者を尊重できる人たちであるように見えるけれど、この本で語られるようなリベラルアーツの考えが役に立つこともきっとあるだろう。


22.06.30


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