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経営指標 Part1~経営指標って何?~

こんにちは。SKPです。
「経営指標」という言葉をご存じでしょうか?経営指標は「経営や会社の状態を表す指標」のことを指します。【自己資本比率】や【流動比率】といったものが経営指標の代表例です。

今回はそんな「経営指標」についてご紹介します。

経営指標が分かれば経営が安定する…?

この言葉だけで判断するのであれば【これは嘘】です。

この経営指標ですが、安定した経営をするには『経営指標の活用が必須』とか、『経営指標を活用すると経営改善の精度が上がる』とか…。一般的には「有用」だとして多く解説されています。

中には『この指標の、この数値が、これ以上ないとダメ』とか『指標がこの数値だから良くない』…という人もいます。

しかし経営指標は、「あくまでも財務諸表(決算書)の数値を比較しやすいように加工したもの」に過ぎません。そのため指標単体・指標の数値そのものにはそこまでの意味はないのです。

例えば【流動比率】という指標ですが、これは、

(B/S 流動資産 ÷ B/S 流動負債)×100=流動比率(%)

と計算します。これは短期的な「支払能力」を表している企業の安全性を見る指標で、高い方が良い。200%以上が望ましいとされています。

相対的にはその通りなのですが、流動比率だけをピックアップして200%割っているから危険。100%しかないからダメ。ということにはなりません。

また、少し簿記的な話になりますが【全ての企業・事業者が同じ勘定科目を使っている】とは限りません。というか使っていません。

会計監査が入るような大企業は、投資家などに錯誤を与えないために会計基準に則り科目体系が統一されていますが、中小零細企業は「会社独自の科目体系」となっているところが多くあります。

本来「流動負債」とすべきものを「固定負債」にしている、といった具合です。そうなってくると「比較する経営指標の計算根拠がそもそも違う」なんてことが普通にあるのです。

もちろん、経営指標は【有効に使えれば有用】なのですが、私個人としては「必要だと思う指標を参考にする程度でいい」と思っています。

比較対象は【過去の自社】

経営指標は、自社と、同水準の事業規模の同業他社との数値で比較し、活用するのが一般的です。自社と【自分たちと似たような業種の平均値】と比較するわけです。

しかし、この比較をするには『同業他社の情報が必要』となるので、情報を持っているところが提供しているデータを活用するしか方法がありません。

また先ほど書いた通り、「自社の科目体系」が独自である場合、そもそも比較しても正しいかどうかがわかりません。

自社と【同じ状況・同じ経営戦略・同じ勘定科目の他の会社】なんてものは存在しないのです。そのため、他社比較だと「ふ~ん…こんなもんか…」くらいになりやすいです。

ですので、経営指標で比較すべきは【過去の自社】が最も適しています。前と経営指標を見比べて『今はどのような傾向にあるのか』。それを視覚的に判断するために経営指標を使います。

この判断は前々期・前期・今期と3期ほどの比較とするのが傾向が分かりやすいと思います。

注意点としては【科目体系の変更がないこと】。つまり、同じような取引内容は、毎期同じように決算書に載っていることが、比較を正しく行う上で大切です。

『顧問税理士さんを変えたら、決算書の科目体系が変わった』という場合は、過去のを今に合わせるか、今を過去に合わせるかをしないと正しい比較となりません。

初めて指標を見るならばこれが便利

いざ「経営指標で比較をしよう」と思っても、自ら一つ一つの経営指標を計算して比較するのは大変です。

ここで使えるものがあります。経済産業省の「ローカルベンチマーク」と呼ばれるものです。

このサイトのローカルベンチマークツール(Excel)に、決算書から必要事項を入力することによって、簡易的な財務診断を行うことができます。

ローカルベンチマークそのものが有用か…は、ここではさておきますが…。

初めて経営指標の比較を行う、であったり、今の状況を指標として見てみたい、といった場合は、視覚的に見やすくなっていますので初めての人にはこのツールはお勧めです。


使っている会計ソフトによっては、経営指標も表示できるものもありますが、結局【それぞれの指標の意味】を知っていないとどう判断していいのかは分からなくなります。

次回は、主要な経営指標内容をご紹介します。



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