現金残高が合わない?現金過不足はあってもいい…?

こんにちは。SKPです。
キャンペーンの効果もあり、電子マネー・電子決済が使えるお店がとても多くなりました。私も個人的に「現金」を使う機会というのもめっきりなくなっています。

そのため財布にいくら入っているのか覚えていないことも多く、電子決済が使えないと結構焦るのですが…。

中小企業でも電子マネー・電子決済を導入しているところも多くあり、これまでと比べて『現金』の管理が楽になった、というところが多くあります。

ただ、まだ代金の受取は『現金』だけであったり、言っても『現金』がメインというところも多いようです。

現金過不足はあって当たり前…?

現金の取り扱いが多いと困るのは「現金の残高が合わない」という状態が生じる可能性が高い、ということです。

特に小売店や飲食店などは「日々、現金の売上がある回数」が多く、レジの打ち間違いやお釣りの渡し間違いなどで、現金残高が「理論値」と合わない。ということがよく発生します。

会計上、このように実際の現金と理論値(レシート・Zレポートなど)との現金残高が一致しない時、『現金過不足』という勘定科目を使い、実際の手許現金に金額を合わせる、という処理を行います。

現金が多い時  借方)現金    1000円 /貸方)現金過不足 1000円
現金が少ない時 借方)現金過不足 1000円/ 貸方)現金    1000円

この『現金過不足』は、月単位、もしくは年単位(決算時)で総額を『雑収入・雑損失』へと振り替えて損益として認識を行います。

誤って多くもらってしまっていたら収益。誤って現金が少なくなってしまっていたら損失。というイメージです。

この『現金過不足』は、人が代金・お釣りの受け渡しを行っている以上、ある意味、生じても仕方がないものとなります。

「〇日連続現金過不足なし!」と店内(スタッフ限定)に大きく貼ってあったり、「〇日間過不足なし強化週間」といったように内部的なキャンペーンを行っているところもあるくらい、『普通にあるもの』だったりします。

もちろん、ないならないに越したことはないのですし、銀行などの金融機関では許されないことではあるんですけど…。

それでも人為的なケアレスミスがほとんどの原因ですので、100%防ぐというのは正直、難しいと言わざるを得ません。

現金過不足がない方がおかしい…?

実はこの『現金過不足』ですが、ある程度あった方がいい、とも言えます。

先ほど書いた通り、現金過不足の原因のほとんどは「人為的なケアレスミス」で、全てをなくすというのは現実的に不可能です。

にもかかわらず「現金商売」であっても、「全く現金過不足が生じていない」という会計処理をしているところがあります。

本当にないのであれば、それは素晴らしいことです。しかし「現金過不足が全くない」というところは「日々の現金を精査していない」という場合が往々にしてあります。

もしくは、多少の現金のズレは店長や社長のポケットマネーで調整している…。というところもあるようです。

『現金過不足』は毎日・毎週・毎月、実際の現金の残高と、会計上の理論値となる現金の残高を突合・精査しているからこそ使われる勘定科目です。

確認をしているからこそ、ケアレスミスによる差額が生じて「現金過不足」が使われます。つまり「現金過不足」があるからこそ「一定期間ごとにしっかりと現金残高を確認している」という証明にもなるのです。

確認しているからこその違和感

『現金過不足』は不正の予防にもつながります。

これは実際にあった話ですが、おおよそ月合計で±1000円ほどの現金過不足が生じるのが標準というお店(飲食店)がありました。日単位では多くても±500円程度です。

しかし、ある時「1日で5000円」というキリのいい現金の不足が出て、数日後に「1日で5000円」の現金過剰が生じました。

これはどう考えてもおかしな水準です。また、飲食店での過不足で5000円というキリの良い数値がズレるには「1万円札を間違える」しかあり得ません。お釣りの渡し間違いならまだしも、代金の受け取り間違いがあり得るのでしょうか?

結果は、その日レジを担当した従業員さんが、一回は懐に入れたけれど、翌日に「5000円の不足があった注意喚起」がされ、しっかりと確認されていることに焦って戻した。というのがこの顛末でした。

レジ担当が誰か分かっている以上、こういったことは『本来バレるのが当然』です。しかし、現金を精査していない・現金過不足をそもそも認識していないと、こういったことに気づけない可能性もあります。

店長や社長が過不足額を補填している場合はなおさら分かりにくくなります。

どれくらいの現金過不足は出ても仕方がなくて、どれくらいの過不足が出ると異常と言えるのか、そういったことを把握しておくだけでも、ふとした違和感から「不正」を防止することに役立つのです。


今回は『現金過不足』についてご紹介しました。今は「現金」だけでなく、電子マネー・電子決済の決済時のシステムへの入力間違いで過不足…なんてこともそれなりにありそうですね。

現金過不足は「ない方がいい」が前提とはなりますが、あったとしても「ポケットマネーでうやむやにする」というのは、色々と問題になりますのでしないように注意してくださいね。

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