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初めて曲を聴いて泣いた日。

アンジェラ・アキの「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」をご存じだろうか。多感な辛い時期を過ごした十五歳のアンジェラ・アキが、大人の自分自身へ出した手紙をもとに、作られた歌である。

私がその曲を初めて聴いたのは、奇しくも十五歳の時だった。人間関係にも、勉強にも悩んでいて、八方塞がりというか、誰に助けてと言えばいいのか、助けてと言っていいのかもわかっていなかった。

その歌を初めてテレビで聴いたとき、初めて、「曲を聴いて涙する」ということをした。

それまで、家族がドラマや詩を観たり読んだりしたときに、涙する姿を不思議そうに見ていた私は(ああ、こんな感じか)と思いつつ、涙を我慢しながら、でも我慢できないでいた。混沌とした心の中に、どこからか清らな水が流れてきたような、そんな心持ちになった。

その曲を聴いてから、何かが劇的に変わったとか、そんなことは無いけれども、辛くなるたびに、その曲を思い返していた。

十六歳になってその曲を聴いた時には、涙は出なかった。その時は心がとても安定していた時期で、もちろん辛いこともあったけれども、(嵐を抜けた)とそう思った。

今回これを書く前に、久々にその歌詞を少し歌ってみた、少し涙が滲んで、歌うのをやめた。
今、少し混沌としている心には、あまりにもこの曲が眩しかったのかもしれない。

大人になって、自由なことと、不自由なことが変化してきた。見栄っ張りで強がりな私は、いろんなことで自分自身を縛りながら、生きてきた。

この曲は、そんな私の心が、いろんなものに縛られた心が緩むような、そんな曲である。自分自身を抱きしめて生きていくことの大切さを、歌っている気がする。

この曲を振り返って、少し重荷が軽くなった気がする。自分を愛して、でも無理に愛すのではなくて、ただ抱きしめて、進んでいけばいいのかなと思った。そうすればもっと、自分を適度に愛することができる気がする。

私には、できないことが沢山あって、もどかしいけれど、こんな私(とはあまり言わないようになりたい)でも、できることがあって、それに感謝してくれる人たちがいる。

もちろん私がしたことを、当たり前としか受け取らない人もいるけれども、そういったことを気に留めずに、感謝してくれることを喜んでいきたい。もちろん、モヤモヤしたら誰かに相談するけれど。

苦しいことはこれからもあると思う。けれども、自分を支えてくれるもの、励ましてくれるものを見つけながら、時には休みながら、生きていきたい。

私をめちゃくちゃ喜ばせたいと思ったら、サポートいただけるとその通りになります🌸