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【小説】 目を開けてお祈りを

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創作大賞2024 恋愛小説部門 応募作品
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記事一覧

目を開けてお祈りを 第1話

声に恋したのは初めてだった。 百合みたいに真っ白で、壁を漆喰で塗ったチャペルでのこと。天…

目を開けてお祈りを 第2話

学生生活は慌ただしくスタートした。私は、芋くさい田舎を抜け出すべく都会に進学していた。徒…

目を開けてお祈りを 第3話

中学校は楽しい日も、辛くて仕方ない日もあった。例えば勉強面。小学校では、授業を聞いて宿題…

目を開けてお祈りを 第4話

そんな中、私は牧師先生と会えるタイミングをずっと探していた。中学の間は彼の授業を受けられ…

目を開けてお祈りを 第5話

中学三年生になった。四月中旬のホームルームでのこと。 「分かってると思うけど」 担任の先…

目を開けてお祈りを 第6話

先生のしおりに唆されたというか。イヤイヤ志望することになった英語コースへのこだわりが、い…

目を開けてお祈りを 第7話

高校一年生の四月。クラスには高校から入学してきた人もいた。アケミもその一人。 「都会の学校ってピカピカなんだね!?」 彼女は校内の施設に圧倒されていた。口をあんぐり開けてチャペルの天井を見ている。三年前の私もこんな感じだったのかな。素直な彼女とは気が合うみたいだ。 他にも嬉しいことがあった。牧師先生の授業を受けられるようになったのだ。「黒板が日差しで見えにくいから」とか何とか言って、私は視力が1.5にも関わらず、前から一、二列目の席をキープした。 先生の担当教科は「聖

目を開けてお祈りを 第8話

彼のことを知っていくうちに、授業を受けるだけでは満足できなくなった。そんな私は、ついに先…

目を開けてお祈りを 第9話

「たまに準備室にお喋りしに行ってもいいですか?」 次の週、先生に思い切って言った。あと一…

目を開けてお祈りを 最終話

なんとか大学生になってしばらく経った後、 「元気してる?」 まさかのマナから連絡が来た。…