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元データ・原著を探す重要性

現代は情報過多な社会で様々な情報が常に飛び交っています。
その中には、デマや情報源が分からないものも沢山あります。
情報に惑わされないために、また責任ある情報発信をするために、情報の大元にあるデータや原著を確認しておくことはとても重要です。

最近だと、コロナウイルスの影響でトイレットペーパーが無くなる、という情報が流れましたね。
これは「製造元の中国から輸入できなくなる」という情報が根拠となっているようです。
試しに日本製紙連合会2020年1月の需要速報(衛生紙:トイレットペーパー)を見てみると、国内出荷133千トンにたいして、輸入3千トンとなっていてほとんど輸入が無い(国内で生産されている)ということがわかります。
ただ、紙の生産量は中国が世界一のようです(世界の中の日本:日本製紙連合会)。
この辺りが根拠になったのでしょうか。

上の例は不十分な調査ですが、元データ・原著に当たる利点は少し垣間見えます。
元データ・原著を確認する利点は情報(主張)の根拠が推測できることです。
どうやってデータを取ったのか、主張を支える論理はどこから仕入れたのか(参照文献)を確認して、データや論説のどの部分からその主張が生まれたのか、それは納得できるか、そのデータや論説は信頼できるものか、ということがということを考えられます。

ここで注意しないといけないのは、元データ・原著も常に正しいわけではないということです。
原著やそのさらに元となっているデータや文献が間違っているという可能性は常にあります。
そのことを念頭において発信元の主張を吟味していきます。
これは批判的思考(クリティカルシンキング)と呼ばれる考え方で、悪い言い方をすると常に疑う姿勢を持ち続けるという意味ですが、情報の信頼度を精査する上でとても重要な姿勢です。

もちろん二次的に拡散されている情報が悪いというわけではありません。
なんでもかんでも元データ・原著を探そうとすると、膨大な時間と労力が必要で、現実的じゃないですし、疲れてしまいます。
ただ、大事な部分についてや、違和感を感じたときは、ぜひ元データ・原著を探して、発信元がどういった意図を持っていたのか、確認してみてください。
主張の根拠を確認する姿勢批判的思考(クリティカルシンキング)が大事です。

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