【短編小説】いつまでも一緒に…
夏の終わり、空はどんよりとした灰色に覆われ、時折小雨がぱらつく。そんな日、僕は家のリビングでソファに腰掛けていた。目の前には、子供の頃からずっと一緒に育ってきた愛犬のハルが、静かに横たわっている。彼の体は痩せ細り、かつての元気よさは影を潜めている。目は少しだけ開いていて、時折、僕の顔をちらりと見る。その視線が、まるで「僕はここにいるよ」と言っているように感じた。
ハルは僕の兄弟のような存在だ。幼い頃、僕が泣いているときにはいつもそばにいて、元気を分けてくれた。学校から帰ると