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じょりじょり

じょりじょり
イケオジのステキな顎ではない。
今回は触感ではなく
食感。

子供のころ家の周りが田畑だったので
ご近所さんから野菜をよくいただいた。
採れたて新鮮。
美味しいに決まっている。
わかっている。
わかっているけれど
泥を落とすのは水量を結構使う。
自然の中で育った私は
川の水、井戸水で十分に洗っていた。

今はそうはいかない。
水もただではない。
ほうれん草の根元部分は
気になるところだ。
根元部分は甘味があり
美味しいところなのに洗いにくい。
洗いを甘く見ると食したときに
じょり···。
その瞬間、食欲ゼロとなる。
どんなに美味しくても
食欲ゼロ。

魚介類もだ。
しっかり砂抜きしたつもりの貝も
背わたをとったつもりの海老も
美味しく出来たと思っても
じょり···。
ああ、もう食べたくない。

歯と歯茎に残るあのざわりとした感覚。
だめ。

「砂を噛む」
味もそっけも無いこと
ウマく言ったもんだ。
しかし本当に砂を噛んでしまうと
味もそっけも無いどころか
感情までなくなる。
調理したのは私だ。
八つ当たりも出来ない。

少し前まで
砂糖のじょりじょりもだめだった。
「これは砂糖だよ!」
と、自分に認識させると
食べられるようになった。
シュガートーストの美味しさに
やっと気づいた。
今まで人生損していた。

ハッピーターンのパンを発見。
じょりじょりだけど
美味しいんだな。これが。

美味しいじょりじょりを探して
人生取り戻す。

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