見出し画像

桑名寺町の押し寿司

桑名の寺町商店街に年末でかけるのは、まず、お墓参り。
それから、餅菜や野菜など、お正月の買いものではあるけど、
そのほかに、楽しみにしていることがある。

お正月用食材を売っているなかに、
忙しくするひとたちむけに、
おひるごはんやおゆうはんの手助けになるような、
簡単にたべられる巻き寿司やコロッケやパン類、
その他、テイクアウトも売り出している。

毎年、ご高齢の方と娘さんらしいお二人が、
お寿司のお店を出されている。
かなりご高齢だから、今年はどうだろう。
と、少し控えめな場所に、やはり小さな売り場を出していらっしゃった。

押し寿司を買った。
地味な押し寿司、それほど人気商品でもないらしく、
助六もありますよ、巻き寿司とのセットもありますよ、
と、おすすめくださった。
一般的には助六や巻き寿司の方がなじみがいいんだろう。
で、押し寿司単体の包みを買った。

もろこの炊いたのと角麩の炊いたの、が具材。
材料が高騰しているんだろう、去年よりひと品具材が少ない。
こういう細かいところから感じるものもある。
3つ買ったら、たくさん買っていただいて、
とすこし心配そうだったお顔が笑顔になった。
毎年これをたのしみにしているんですよ、
ご高齢だから体調はどうだろうとおもっていました。
と伝えた。
また、来年もよろしくお願いいたします、
と、お二人で言われた。

その後、駅前の魚良さんに行った。
三八もう行ってきたん?と第一声。
いつも朝寄ってもらっとったで、
と、おじさまは待っていてくださった。
ブリが今年は高いよ。
エサになるイワシの話、
イワシ漁の船団の組み方や人員の話、
カズノコの値段と産地別の特徴などをきき、
東京の魚屋さんの話などして。
今切るわ。
魚屋さんの大きなまな板の包丁さばきを見ながら、
商品ケースにもたれて話すこの時間がすき。
いつもの売値が仕入れ値になっているという
ブリの切り立てを少しと、
利益を取ってねという気持ちを込めて、
かまぼこを2つ買ってきた。

おじさまは、去年、おととしより元気そう。
カラ元気やわ、と言われる。
押し寿司の酢飯は、切り口をみると、
ういろうかと思うぐらいぎゅっと押してある。
うちのおばあさんより、もっとぎゅっと押してある。
酢飯の味は酢っぱいめだけど、それが、
具材のもろこの炊いたのの甘味といっしょになる。

押し寿司のおばあさまにも魚良のおじさまにも、
ちょっとよろこんでいただいたような気分だね、
よろこんでいただけるとうれしいよね、
と、おもいつつ、こーひーぶれいくす☆
また来年、は、おたがいさま。
さて、きばって掃除。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?