持って行き場のない複雑な感情

職場で回覧が回ってきました。「年明けにボウリング大会を開催します」というものでした。

数日前にそんな話が出ていましたが、その時にある職員が私にそっと質問してきました。

「しぜんさん、視力が良くないじゃないですか。ボウリングってどうですか?大丈夫ですか?ボウリング大会をやろうって話が出ているんですが・・・私がしぜんさんのこと気になって言ったんですけど、『じゃ、しぜんさんはガター防止レーンにしてあげればいいんじゃない?』って他の方が言われてて・・・。」と。

その時、私はなんとも表現し難い気持ちになりました。参加させてあげようという意思のもとでの提案だったのだと思います。でもあまりにも的外れすぎていて・・・。1.5メートルくらい先の人の顔が見えないのに、ボウリングのピンが見えるはずもなく。

・・・というか、そもそも目が見えないことと、ガター防止レーンにすることと、どういう繋がりがあるのかな?と。

そのそっと質問してくれた職員には「それなら私、出席はするけどゲームには参加せずに、みんなの活躍を応援するわー」と、笑って応えましたが・・・。

上手くできない子供扱いされたようで、少し傷ついてしまいました。

私の見え方なんて、なかなか他の人には分からないだろうし、それをしっかり理解して欲しいとはもちろん思ってないのですが、そっと私に質問してきた職員のように、とりあえず確認していただきたかったなと。

でも、こんな思いを口にすると「めんどくさい障害者」と思われても嫌だしな〜と思って。

それに、私のように視覚障害があると、どうしても物を触って確認するという動作が健常者の方に比べて多くなりがちで、コロナウイルス感染拡大が懸念されている現状では、あまりそういったイベントには参加したくないなという思いもあり、結局「欠席」に印をつけて回覧を回しました。

視力低下や進行の度合いなど、自分自身のことに関してはしんどいながらも相変わらず、あっけらかんとして前向きに捉えているのですが、こういった周りの方達との関わりというか、理解していただきにくいが故の温度差というものに、少しずつ躓くことが出てきたなと。

でも先ほど書いたように、私目線では的外れな提案でも、他の方々からすればなんとか参加させてあげようとの思いから提案してくださったのだろうし、自分の物差しで測るのではなく、もう少し自分の器を広げることも必要だなと感じました。

・・・でも正直、素直じゃない自分が邪魔をしてます。


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