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詩を書き始めた。

しゆさんだ。

詩を書き始めた。

先日、失恋をした。
失恋なんだろうか、恋をして失ったので失恋で良いだろう。
軽薄に来世の約束を取り付けてしまったばっかりに、この世の全てが色褪せて見える今日この頃。
もう、来世に、来世に賭けよう。
今世は、とりあえず生きて、来世に希望を託そう。
と、緩やかな自死を選んだことがきっかけである。

恋はいけない。
あれは、事故だ。
一目惚れだった。
抗いようがなかった。

非常に戸惑った。
どうしたものかと、
この特別な気持ちは長く触れずにいることで常態化し、特別感がなくなり、
『勘違いだった。』
と思う日がやがてくるだろう。
その永遠ともいえる日々を送る覚悟を決めたら、職場から居なくなることがわかった。

諦める前に失ってしまったら、それはもう私だけが永遠の牢獄に閉じ込められてしまうじゃないか。

なので、幾つか呪いをかけた。
髪の長い男をみたら私を思い出してね。
サメの話や水族館の話、スマートな歩き方をする男、定位置で読書をする男、それらをみたら、ぜひ、私を思い出して、永遠の牢獄に遊びにきてほしかった。

そして、生まれ変わったら金持ちの家で、お互い動物になって飼われて幸せに暮らしましょう。
と約束をしたのだった。

呪われたのはもちろん私だ。

いつか永遠の牢獄に会いにきてくれるかもしれないという、望みのないものに希望を見出すための呪いだ。

しばらくは、獄中記のような詩を書くのだろうな。
思い出を切り貼りし、君の断片を捉え、君の艶やかな声を思い出し,少しずつ薄く、薄くぼやけてもなお、何とか記すのだろうな。

来世で会えるとして、君に一目惚れした私は前世ではどのように関わっていたのでしょうか。
前世でも、来世の約束を取り付けていたのかもしれませんね。

確証がないことなので、考えても詮無いことですが。

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