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第36回:2つの「喜び」を活かして生きる

今回のテーマは、2つの「喜び」を活かして生きるです。

この2つの「喜び」を説明すると、一つ目が「今を楽しむ喜び」で、二つ目が「目的達成型の喜び」です。この2つを組み合わせて生きることができると、人生がどんどん楽しく豊かになっていくと思います。

現代人は、どうしても「目的達成型の喜び」で思考しがちです。これはおそらく、現代の風潮がそうさせるのかもしれません。世の中を見渡すとその大半が「目的達成型の喜び」を目指しているように思います。

おそらく、そうなってしまう理由が、日本の人口の大半は仕事をしているからなのかもしれません。仕事は「目的達成」が命題になるので、そういった思考を使うのが習慣になってしまうし、そういった大人が子供に教育することになるので、「目的達成型の喜び」が延々と引き継がれていくのかもしれません。

しかし、気を付けなければいけないのは、何かの目的を達成するにしても、自分が好きなこと楽しいと感じることでないと、目的達成のための行動すらできなくなってしいまうということです。

したがって、ポイントとしては、まず「今を楽しむ喜び」を優先させた上で「目的達成型の喜び」を使っていくことが大切なのだと思います。

「今を楽しむ喜び」を優先させよう!!

私は最近まで、「目的達成型の喜び」を優先して生きていました。だから「今を楽しむ喜び」は常に二番手でした。もちろん、「今を楽しむ喜び」を優先して生きた時期もあったりしますが、それでも人生の大半は「目的達成型の喜び」を優先してきたといっていいでしょう。

実をいうと、この「目的達成型の喜び」には落とし穴があって、頑張って目的が達成されると「喜び」を得ることができますが、頑張っても目的が達成されないために「喜び」を得られないということが起こってしままうのです。つまり、「目的達成型の喜び」だと結果は常にフィフティーフィフティーなのです。しかも、もし難易度の高いことを目的にしたりすると、その割合も変わっていってしまい、達成できない方の確立が高くなってしまうのです。

こういったことから「目的達成型の喜び」は、目的を達成すると「喜び」を得られる反面、上手くいかなかったりすると気持ちが落ち込んでしまい挫折してしまうことさえあったりします。

また、この「目的達成型の喜び」は、その性質上、目的が達成される人とそうでない人が生まれてしまいます。極端な例ですが、全国の五万とある高校の中で甲子園で優勝できるのは一校だけしかありません。つまり、優勝の「喜び」を味わえるのはごく一部の人たちなのです。

私はこれまで「目的達成型」で生きてきたため、たくさんの挫折をしてきました。そういった挫折の多さから転職をする回数も周りの人に比べると多かったりします。もちろん、転職する要因は挫折以外にもあったりしますが、その原因を突き詰めると、やはり「目的達成型の喜び」を求めて生きていたからといっていいでしょう。

CHAGE and ASKAの曲に「太陽と埃の中で」という曲にこんな歌詞があります。

追い駆けて 追い駆けても つかめない ものばかりさ
愛しても 愛しても 近づくほど 見えない

私は、こんな気持ちでこれまでの人生をずっと過ごしていたように思います。

僕らはいつだって風邪をひいたままさ
オイルの切れた未来のプログラムを大事に回してる

多分、生き方を間違えていたために、風邪をひいたまま生きていたのだと思います。私はずっとオイルの切れた未来のプログラムを大事に回して生きていたのだと思います。

そこで、あるとき気づきます。

優勝を目指す生き方ではなく、野球を楽しむ生き方にすれば、こじらせた風邪を治せるんじゃないかと。

風ふく丘の少年すべての夢を手にしたような気持ちになって太陽と埃の匂いを思い出して生きればいいんじゃないかと。

するとどうでしょう、それまで苦しいと感じていた人生が、すっかり楽しくなったのです。優勝はできないけれど、自分オリジナルのバッティングフォームでバッターボックスに立てるようになったのです。

そうなると不思議なもので、それまで勝てなかった試合にも勝てるようになっていくのです。

子ども時代は楽しむことを学ぶ期間

自分のことを振り返ると、親からも学校からも、世の中からかも「目的達成型の生き方」を教えられて、それを受け入れて生きてきたように思います。楽しさを優先することよりも、いわゆる一般的な価値観の道が正しいものだと思い込んで、それを達成することを善しとして生きるように教育されてきたように思います。

もちろん、そういった生き方は否定できないし、それができるということは凄いことだと思います。しかし、どうやら私は「目的達成型」は性に合わなかったように思います。無理して「目的達成型」で生きてきたことで人生の風邪をこじらしてしまったと思います。

とはいえ、そういった経験があったからこそ楽しむことの大事さに気づけるようになったともいえます。「目的達成型」の生き方が上手くできなかったから、楽しめることを優先させることの大事さに気づけたのだと思います。どんな目的を達成するにしても、楽しめることでないと目的に向かうことさえできないと気づけたのだと思います。

そこで、私が提言したいのは、子供時代は楽しむことを学ぶ期間にすべきだということです。内容は何でもかまいません。好きなことを夢中になってするということを子供時代に身に付ける教育をすべきだと思います。

というのも「楽しむ」ことこそが、人生の大原則だからです。この大原則を子供の頃から知っておくと、大人になっても苦労することはないはずです。むしろ、そうやって大人になると出来ることも増えていくので、ますます人生を楽しめるようになっていくことでしょう。

楽しいことに夢中になっていると、集中力が身に付きます。好きなことは、追い駆けて、追い駆けてもつかめないものばかりなので、どんどん前向きに突き進んでいけるようになります。楽しいことは延々と続けることができるので、無限に人生を楽しめるようになっていきます。

そうやって、楽しんで生きていられるようになると、やがて自分自身に満足できるようになって、やる気というオイルを常に充填できるため、未来のプログラムが勝手に回っていくようになっていくのです。

こういった楽しさを追い駆けていくことが人生の基礎となるため、子どもの頃に、楽しむ生き方を身に付けていくことが大事だと思います。そして、楽しさを優先して生きられるようになると、勝手に目的達成型の思考に変わっていくので、放っておいても子供はひとりでに成長していくものなのです。

ただし、気を付けなければならないこととして、子どもが興味を示して楽しんでいることに大人が口をはさまないことです。口をはさむことで、子どものやる気を失わせないことが大事だったりします。

大人は、子供に楽しさを味わってもらう機会を創るだけで十分です。子どもが興味を持ったことを一緒に楽しんであげることが大事だと思います。

太陽と埃の匂いを子供と一緒に楽しんでいけばいいのだと思います。

目的達成は今の楽しみの連続の先にある

子どもの頃から、楽しむ生き方を身に付けることができると、自然と「目的達成型」の生き方もできるようになっていきます。なぜかというと、楽しんで生きていると、自然と「ああなりたい」「こうなりたい」という目標が生まれてくるからです。そして、そういった目標が生まれると、それを達成するためにはどうすればいいかと逆算して考えるようになるため、自分で計画を立てられるようになっていきます。

もし、そういった発想のもとで「甲子園で優勝する」という目的が生まれたのなら、それはそれでOKなのです。毎日楽しく練習ができ、甲子園に行って野球をしている自分をイメージできるのであれば、周りから無謀と思われるような目標を掲げてもまったく問題ありません。

もちろん、そうやって頑張ることを楽しむことができたなら、たとえ甲子園に行くことが出来なかったとしても、その目的は喜びとして達成されたこととなるでしょう。全国大会に行くことができずに、地区大会で負けたとしても、やりきったという充実感で自分自身に満足できるようになるでしょう。

そして、そういった経験さえあれば、高校を卒業してからも新しい目的を見つけて、それを楽しんで生きていくことができるようになるでしょう。

目的達成は常に今の楽しみの先にあります。今という楽しみの連続の先にあるのがいつだって「喜び」なのです。

生きることで大切なのは矛盾を作らないことです。楽しいと思えることを楽しんで、楽しめたことを「喜び」とするというシンプルな生き方をすることが大切なんだと思います。

実をいうと、この「喜び」を選んで生きるということは、165キロのストレートで生きるという生き方なのです。

次回は結果は天任せという粋な生き方

今回は、2つの「喜び」を活かして生きるというテーマで書いてきましたが、「今を楽しむ喜び」を見つけてそれを優先して生きていると、自然と「目的達成型の喜び」も得られるようになっていきます。

したがって、まずは「楽しいことを楽しむ」ことが大切です。そうやってっ楽しんでいると自然に「目的達成型の喜び」を求めて、人生設計ができるようになっていきます。

こういった生き方であればだれもが「喜び」で生きられるようになると思います。そして「目的達成型の喜び」の生き方も、やがて「結果は天任せという粋な生き方」ができるようなっていきます。

といったわけで、次回はこの「結果は天任せという粋な生き方」について書いていこうと思います。


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アキタロウ
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