最近の記事

犬の名前

コロナウィルスの蔓延で何一つ良いことなんか起きていない、と思っていたのだけれど、友人の家の、コロナと名づけられた芝犬はテレビスピーカーに自分の名前を呼ばれる度に尻尾を振る、ということだった。

    • 記憶の中の布団と猫たち

      猫たちがずっと穏やかに寝ていてほしい。猫だけじゃなく、全てが。

      • 白黒の猫

        眠り、目が覚めて、猫という生き物の姿形を知覚すると途端に幸福な気分が差し込んでくるのですね。

        • 凍った夜道と摩擦係数

          自分で撮った写真なのに、どうして立ち止まってまで撮ったのか、その時の気分がもう分からない。 写真を見返さなければ、思い出すこともなかったシーンに見えてくる。歩いていく道の先にこういうシーンがあり、歩いてきた道の途中にこういうシーンがある、ということに、自分がこれらシーンを通過した実感が希薄になっている。するすると路面を滑るようにして記憶も流れていく。すり足で道を歩く。規則正しい白線が凍り付いている。 いつかこのシーンを思い出して、同じ感情、同じ印象、同じ気分を通り過ぎ

        犬の名前

          札幌とかつての野良ネコ

          札幌の自宅に、突然、母が持って帰ってきたネコがいる。 (連れ帰ったというよりも、本当に持って帰ってきたという具合だった) 幼少期、猫と暮らしたいと主張する僕たち兄弟に対して、ネコはいつか私たちよりも先に逝ってしまう、寂しいのでダメ、と言ってきかなかった母が、突然、何食わぬ顔で拾って帰ってきたネコが、表題のキジトラ猫である。 札幌のノラネコ、特にノラ子ネコは冬を越すことが難しい、それはそれで寂しいではないか、と母は釈明した。凛次郎の出身は裏参道のパスタ屋の駐車場、ということにな

          札幌とかつての野良ネコ

          今も森の中で雪は白く

          2020年、2月22日、8:10に知床財団の友人にホテル前でピックアップしてもらい、遊歩道の前で降ろしてもらう。 駐車場が整備されていて、連山が見渡せる。冬の遊歩道を歩くのは久しぶりで、スノーシューをレンタルして森の中を進む。 案内役として土地に明るい人、何かの専門家がいるのといないのとでは、空間に対する理解の深さも広さも変わってくる。 フレペの滝遊歩道を構成する森林は、開拓期に農地として利用されていた二次林と、原生林とがはっきりとした線で分けられている。これは、土地利用

          今も森の中で雪は白く