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次世代のエネルギー源として水素に期待

発電燃料としての「水素」が注目されている。

10月15日付け『日本経済新聞』の記事によれば、水素30万トンは、発電能力100万キロワットの発電所(原発1基分相当)をほぼ1年間稼働させることができるとのこと。
すでにオーストラリアやブルネイとの連携による実証事業が始まっており、政府は、2030年ごろには年間30万トンの輸入量を確保して、商用化を目指す方針であるという。

CO2を排出しない水素発電が大規模に実用化されれば、再生可能エネルギーの拡大とともに、脱炭素化を大きく推進することになるだろう。

問題は発電コストである。
単純に燃料費を比較した場合、現時点で、例えば天然ガスとどれだけ違うのだろうか?
「30万トンの水素は発電能力100万キロワットの発電所を1年間稼働させることができる」という一文を手掛かりに調べてみた。

資源エネルギー庁のデータによれば、100万キロワットの発電所を1年間運転するために必要な天然ガスの量は95万トンである。
とすれば、天然ガス95万トンと水素30万トンの価格を比較すればよいわけだ。

<天然ガス95万トンの価格>
直近の天然ガス価格は1トン当たり約32,700円(2020年8月通関統計)である。
従って、32,700×950,000で310億6500万円である。

<水素30万トンの価格>
ネットでは直近の水素価格のデータが見つからなかったが、2019年3月時点で1キログラムあたり1,100円とする記事があった。これに基づけば、1トンあたりでは1,100,000円である。
従って、1,100,000×300,000で3300億円となる。

かなり大雑把な比較だが、天然ガス310億に対して水素3300億であり、約10倍強の価格差である。
しかし、この程度の価格差なら、水素製造プラントや製造工程の技術革新で克服することは可能ではないかという気がしてくる(全く根拠はない)。
実際に、太陽光発電の発電コストだって、2010年から2017年の間に73%下落したとされる。

将来の水素発電の普及に向けて、世界中で技術のブレークスルーを競ってほしいものだ。

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