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規格外品のゆくえ-廃棄をなるべく減らしたい-

SIWAの検品基準によって販売商品から落とされてしまった製品たち
山梨県の和紙メーカー大直の一瀬です。私は毎日使える和紙ブランド「SIWA | 紙和」を運営しています。今回はSIWAの規格外品についてお話しいたします。
環境省が発表した、日本の産業廃棄物の排出量、平成29年度は約3億8,354万トンと推計されているそうです。我々もものづくりのメーカーとしてものを生み出す一方で、さまざまは廃棄物も産出しています。
その1つが製品の非正規品です。ブランドが誕生した2008年から増え続けてしまい山のように積まれた段ボールを見ながら、どうしたものかと頭を抱えていた2015年。廃棄するのは簡単だけど、使える製品で、傷であったり縫製が曲がっているもの。製品としてはお客様に正規品としては売ることはできない!と硬く決心して非正規品マークをつけたものたち。
ただただ、時が流れてしまい、6年もの間溜め続け、段ボールの山を見ながら悩んだ結果、お客様になぜダメなのか?を理解した上でそれでも購入いただける人にだけ、販売してみよう!と
顧客ユーザーの方限定で「SIWA感謝祭」と題し、規格外の箇所にシールを貼ってダメな箇所がわかるようにし、販売イベントをすることに。
想像以上にたくさんの方が規格外品を購入してくださり、意外な効果として通常ご購入いただいてる製品の品質の高さを改めて知っていただける良い機会になりました。

SIWA感謝イベント画像

NO PROBLEMのメンバーとの出会い
そのイベントの際にたまたまケータリングでお願いしていた小沢朋子さんが、「今後規格外品を販売していく活動をしたいと思ってて、、、」と継続的によりよい形でお客様に販売していくチャンスをご提案をしてくださいました。そこからNO PROBLEMという活動に参加させていただくことになりました。小沢さんはケータリングのお仕事の他にもインドからガラス製品を輸入販売しており、その製品の規格外品が本当にたくさん出てしまうので日本の品質基準とインドの基準の違いに日々悩まれており、それを解決するためにこのイベントを立ち上げました。

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(NO PROBLEMメンバーとSIWAのメンバー打ち合わせ)

NO PROBLEM 展@GOOD DESIGN Marunouchiへの参加
2017年、東京丸の内にてNO PROBLEM 展を開催することになりました。
我々のようなメーカー数社が自分たちの基準で検品し規格外品として正規品から落とした製品を展示、販売し、検品の考え方を紹介しました。トークイベントなども行い、それぞれの検品に対する考えなどを発表していきました。
同時開催で丸の内KITTE内でNP百貨店@GOOD DESIGN STORE TOKYOを開催、ここでは実際に販売も行いました。

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(写真提供:NO PROBLEMプロジェクトチーム)

2020年2月に開催したNO PROBLEM store@21_21
その後も、2020年2月にも同イベントを開催
コロナ禍の中でイベントは途中で中止となってしまいましたが、多くのお客様に規格外品を見ていただき、ご納得して購入いただく機会となりました。

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出続ける規格外品をこれからどうしていくべきか?
NO PROBLEMプロジェクトチームのメンバーとも毎回この議題にはなるのですが、日々生産をしていく中でどうしても規格外品は出てきます。それは人間が手作りでつくっているからこそのもの。機械で作っていてもきっとでるでしょう。でも規格外品ってそもそもの規格基準も人間が作っているもの。どこからがダメにどこからがイイのか?生産品質の向上はメーカーとしては日々取り組んでは行きますが、職人が新しくなったりすることでどうしても失敗は出ますし、糸がきれたり、曲がってしまったり、いろいろあります。

傷物野菜も廃棄されたり、安く売られたりするように、製品も同じように使えるけれど、自ら決めた品質基準により世の中に出ないで廃棄されてしまう。ブランドとしては良品しか売り場には出したくはないと思いつつも、ダメと決めた製品達の廃棄もなるべくしたくない。。。そんな矛盾している問題をNO PROBLEMのイベントでは少し解決できているように思います。

これからもNO PROBLEMのイベントへの参加や、規格外品を販売する自社イベントなどは随時開催していきますので、皆様のお越しをお待ちしております。そしていつも店頭には出てこない、B品と言われて弾かれてしまった製品たちを手に取って見てみてください。そこには良品にはない、また別のストーリーが見えてくると私は思います。人が手で作っているという実感が湧く特別な商品であるとも言えるのでは?とも思います。

自社イベントは随時SNS,HPにて告知いたします。





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