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希望が失われた厳しい世の中に、夢を紡いだのは僕たちだった。

1.自己紹介

こんにちは。裏アドベントカレンダーの12/11(土)に丁度空きがあったので急遽「書こう!」と思い立ちました。慶應義塾大学4年の伊藤頌太です。特筆すべき実績はないので、省略させていただきます。

今年3月27日に開催した「DREAM RALLAY」の実行委員長を実はやっていました。遥か過去のように思いますね。正に光陰矢の如し。

昨年も裏アドベントカレンダーにて運営のことを書いたので、運営大好き人間のように思われるかもしれませんが、どちらかといえば競技大好き人間です。あんまり自己紹介することないですね、、、、笑

全く関係ないですが、日を跨いで12日(日)に執筆しております。妹の誕生日です。おめでたいですね。そんな日にこんな人が貴重な1ページを使って、DREAM RELLAYを開催した【想い】を伝えたいと思います。

2.数字の重みとバトンの重み

OK-info様に取り上げていただきました。
まだの方は【ぜひとも】ご覧ください。

記事に記載の通り、本来は「第10回KOLC大会」として開催されるものでした。「塩谷田所」で復活した第5回大会を皮切りに、KOLCはみなさまの温かいご支援、ご協力のもと毎年のように大会を開催してまいりました。

第6回では横国でのテクニカルなスプリント。第7回ではあの筏場初お披露目。第8回では魅力的な2days。

私自身、7回大会から運営に関わっておりますが、先輩方の想いが乗った大会はどれも素晴らしかったです。こだわった分だけ運営者のしんどさも垣間見えましたが、それでも参加者に楽しんでもらうための様々な工夫が施された大会は、正にクラブの色が出ていたといえるでしょう。

しかしながら、第9回大会がコロナウイルスの影響で無念の中止。一つ上の先輩方が調査を重ね、夜遅くまで作図やコース組をしているのを多く見ていた分、私もやりきれない気持ちで一杯でした。それ以上に、先輩方がやりきれない気持ちであったことは間違いないと思います。

そんな中進んでいた第10回大会。流れで決まった実行委員長という肩書きに、第10回という数字に私は押しつぶされそうでした。先輩からは「無理して開くことはない」と言われていたのですが、先輩方が繋いだバトンを私たちが一度途切れさせていいのか、、葛藤し、悩み続けました。

とはいえ、いろいろと準備を進めなくてはなりません。でも、あんまり気持ちは乗りませんでした。いつしか運営メンバーに「本当はあんまやりたくない」という言葉を口にするようになり、メンタルはどんどん、どんどんすり減っていきました。

優秀で優しい仲間がいるのに、自分で抱え込んでしまい、いつしか過食に走るようになりました。相当しんどかったと思います。それも嫌なしんどさでした。

しかしながら転機が訪れます。コロナウイルスの感染拡大です。

3.私たちが大会を開催するということ

コロナウイルスにより、当たり前だった私たちの生活は崩れました。それはオリエンテーリングライフという意味でも。毎週のように開催できていた練習会・大会が軒並み中止・延期となり、オリエンテーリングの機会が喪失していきました。

2年連続のインカレMR中止、大学による活動規制、緊急事態宣言に踊らされる活動etc...。Twitterのタイムラインでは、「緊急事態宣言を○○まで出さないでくれ、、」というツイートが良く見受けられるようになりました。

先ほども申し上げた通り、9回大会もコロナウイルスの影響を受け中止、リベンジ練習会も中止ということになりました。

オリエンテーリングはスポーツの中でも屋外×広いフィールド×個人という、”密”とは縁遠きスポーツです。(実データがないので、主観的ではありますが、、、)
そんなスポーツでも、このように大会が次々と中止になる様を見るのは非常に辛かったですし、運営者の方も相当大変だったことでしょう。

特に、インカレMRが中止になったことは私たちが大会を開催するモチベーションを大きくはね上げました。反骨心です。
私たちにとって、2個上・1個上の先輩方は距離感も近く、非常にお世話になった方々ばかりです。

そんな先輩方に絶対にオリエンテーリングを楽しむことのできる大会を、もう一度仲間とオリエンテーリングという素晴らしいスポーツを楽しめる大会を提供するんだ!

活動が大きく規制されている中で、大会を開催することがどれだけ厳しいかはわかっていたつもりでした。渉外的にも、調査・作図的にも・コース組的にも。

でも、それでも、大会を開催したかった。緊急事態宣言にも、世の中の圧力にも負けたくなかった。

馬鹿にされても、批判されてもかまわない。
オリエンテーリングが大好きだから。オリエンテーリングができない日常から脱したかったから。

意地とプライドでした。あらゆる人にお力を貸していただくことは容易に想像できました。それでも、開催したかった。楽しんでほしかった。

その想いを抱いてから、メンバーに想いを何回も何回も発信をするようになりました。

絶対大会を開催する。
夢を紡ぐのは僕たちだ。

4.リレーにこだわり、メンバーに任せた

想いが乗った時点で、すでに通常よりだいぶ遅れたスタートでした。
8月ごろ、山川さんに「使えそうなテレインてありますかね?」という相談をして、「矢板日新」にテレインは決定。でも規制で活動はなかなかできなくて調査とかは全然進みませんでした。(今思えば、もっとやりようあったなとは思いますがね。)

渉外は山川さんにほとんどやっていただき、僕たちは現地に行かなくてもできることを着々と進めました。

私のこだわりは元々「2days」にしたい(後述)とか「新規テレイン」とかまあ語れば色々あったんですけど、時期と情勢的にこだわりは一つに収めました。

それは「リレー」を競技形式とすること。

先ほども申し上げた通り、【仲間とオリエンテーリングを楽しめる機会を創出すること】が大きな目的でしたので、個人競技ではなくバトンを紡ぐリレー一択だと思いました。

ただ、こだわったのはこんくらいで、他はメンバーの創造性に任せました。

ありがたいことに運営経験はインハイやインカレスプリントで経験させていただいていたので、クオリティコントロールの部分は引き受け、他のエンターテインメントの部分は仲間に一任しました。

それで生まれたのが、【日新音頭】
「にっしん、にっしん、やいたにっしん。あっ、それ!」

いや歌詞もメロディーも踊りも天才でしょ笑 どうやったら思いつくんだよ。

また、PV動画・クリアファイル・当日の装飾・入賞者インタビューなど多くのエンターテインメントの部分はほとんど関与してません。

「やっちゃえ~やっちゃえ~」という感じで信頼しておりました。

結果、想像をはるかに超えるアイデアやアウトプットが出て、参加者の皆さまに楽しんでいただきました。

仲間には本当に大感謝ですよ。

クオリティコントロールの部分では、調査日数は2桁行くか行かないかくらいでしたので、短期間集中型で一気にばーーーと調査。使えるエリアと使えないエリアを取捨選択し、使えるところでコースを組みました。

EAの西下さんのアドバイスにより、コースもだいぶ洗練されていき、クオリティに関しても最低限は担保されるまでにもっていきました。
リレーにしては難しく、プログラムで記載したよりも険しいコースだったと思いますが、ご了承いただければ幸いです。(コース組み終わったのは大会2日前とかで、設置に関しては阿部・伊藤の二人で95%以上設置。超ギリギリの運営でした。)

5.学生が厳しい情勢の中で大会を開催するということ

大会が始まり、参加者がオリエンテーリングの競技を楽しんだり、ルート談義を楽しんだり、他愛もない話をしたり、、、

「ああ、本当に大会を開催してよかった」
心からそう思いました。

宮嶋哲矢さん(現京葉OLクラブ)に話しかけたとき、
「プログラムを見て、本当に楽しみだった。こんな大きなちゃんとした大会久しぶりだったから、すごい楽しいし、開催してくれて嬉しい」
という言葉をいただきました。

その言葉は今でも心の奥底に残っています。

MEを優勝したチームは、なんと本大会に向けて対策までしていただいていたようで、それだけ意気込んでくれるレースを提供できたことは一生の誇りです。

大会自体は表彰式をして、みんなで日新音頭を踊ってお開き。(日新音頭はハチャメチャでしたが、あれはあれで楽しかったですね。)

片づけをさっとしながら、締めの言葉を考えてました。
何を後輩に伝えようか。何を言えばいいんだろうか。
頭の中はこんがらがって、うまくまとめることができませんでした。

そして、締め。
私から無意識に言葉として出た内容のは3つ。

①多くの人に支えられた大会だった。運営のみんなには本当に感謝しているありがとう!(深く礼を10秒ほどしました。)
②大会を運営するということは本当にしんどいことばかりだ。特に社会情勢が厳しい中で開催するということは、批判や圧力、規制など様々な要因に阻まれることになると思う。
③それでも大会を開催したいと思える、そんな想いのこもった大会を、参加者の方が笑顔になってくれるような大会を紡いでいってくれると嬉しい。

②については非常に長く話しました。
実際あったエピソードとして、活動申請書を完璧に仕上げ提出したのですが、緊急事態宣言中で「他のサークルも規制しているから」と活動が許可されなかったということがありました。そんな逆風を浴びることなど一杯あります。しんどいことばかりです。辛いことも多いです。何回も悩むことでしょう。

でも、仲間と創りあげた大会は一生の思い出になりますし、参加者の笑顔が見れることはめちゃくちゃ嬉しいですし、運営者も参加者も地元の方も幸せになれる大会をこれからも紡いでってほしいなと思ってました。

それを涙をこらえながら話して終わりました。これにて大会は終了です。

学生が大会を開くということ。
オリエンテーリングへのモチベーションも様々ですし、他の活動(就活とかバイトとか)もありますし、忙しい人は本当に寝る間を削って動いてますし、そもそもプロジェクトの動かし方・進め方も未熟なので、非常に難しく、メンタルも削られることでしょう。

そんな中でも、学生の創造性と自由さと元気さあふれる大会を楽しみにしている人は沢山います。それだけの需要があります。

一人でも多くのオリエンティアを笑顔にすることができる。

学生大会が開催されることの目的はここに集約される気がしますね。

おまけ:オリエンテーリングは地域の経済を回す一助になりえるか?

ここからは当初僕が2daysにこだわった理由です。

オリエンテーリングは、基本的に地方の里山や高山の山麓でおこなわれることが多いです。普段生活していたら中々行かないような場所に行くことが多いですよね。

私は当初、2daysにすることで地域の経済を回すことができると考えておりました。

(実は、今年度の全日本大会が開催されたブランシュたかやま周辺の山林で2daysの大会を開催しようと思ったこともありました。めっちゃ綺麗だったので笑)

例えば、200人規模の大会を開催するとしましょう。2daysにすることによって、宿泊費がその地域に落ちることになりますから、1泊5000円/人とすれば、それだけで100万円がその地域に還元されますね。

また、お土産を買ったり、会場に出店依頼をすることによりさらに還元額は増えます。

まさにスポーツツーリズムの真骨頂。まだまだ日本ではスポーツツーリズムの浸透がおこなわれてませんが、渉外の時など大きな交渉材料となることでしょう。

地元出店もあれば、大会の楽しみも増えwin-winですね。

これからも多くの出店品を堪能できること、楽しみにしております。

スポーツツーリズムの研究が進めば、オリエンテーリングやロゲイニングなどのナビゲーションが注目される日も近いかもしれません。

6.結び

僕たちの大会を機に大きな大会が4月以降続いていくことになりました。

多くの皆さまに支えられ、応援され、ご協力いただいた「DREAM RELLAY」という大会が流れを作ったと考えることもできます。本当にありがとうございました。

希望が失われた厳しい世の中に、夢を作り、夢を紡いだ大会として皆さまの心に一生残り続けていただけると、大変うれしく思います。

来年2月下旬には第11回大会が筏場で開催されます。
読者のみなさん!今のうちに予定を空けておきましょう!

そして、OKアワードの締め切りも今日13日(月)までです。
ぜひ、ご投票をお願いします!(別に『DREAM RELLAY』に入れなくてもいいですよ!投票することに意味がある!)

この楽しいリレーは決して幻ではない。
『DREAM RELLAY』がいつまでも後世に語りつがれる、素敵な大会でありますように、、、。

☆Yuki Saithoさんの動画で、テレインの雰囲気等味わっていただければと思います。☆


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