見出し画像

祝!デジタル出版ツールRomancer 10年目

7月1日にデジタル出版ツールRomancerがサービス開始から10年目を迎えたという。誰でも無料で手軽に本を出版できるこのサービスは,本当に画期的なサービスだと私は思っているのだが,その重要性の割には,一般的な注目度が低く,身近なところで利用している人が少ないのはもったいないとも思っている。

私はこのサービスにずいぶん前から注目していて,何かこれで出版したいと思っていたのだが,最近まで行ってこなかった。なぜかというと,やはりまだ使い勝手が十分ではないと感じていたからだろう。その難点も,2021年にウェブ上で使えるNRエディターというツールが提供されるようになってほぼ解消された。今年6月にはNRエディターの横書き版がリリースされ,さらに使いやすくなった。

私が最初に出版したのは,私が1989年に提出した修士論文「19世紀ドイツにおける物理学施設の発展」だ。博士論文は出版することが義務付けられているが,修士論文は一般にそのままでは出版されない。しかし,私は博士論文を書いていないし,これからもたぶん書かないだろうから,私としてはこの修士論文にかなりの思い入れがあった。そこで,このRomancerを使って出版しようと考えたのである。

修士論文はワープロ専用機で作成したが,その電子データは今は残っていない。そこで,スキャナで画像化し,それをPDFファイルにして,そこからRomancerを使って電子書籍化した。さらに,Romancerを運営しているボイジャー社に国会図書館納本代行も頼んだので,国会図書館にも電子書籍として納本されている。これで,私の修士論文は半永久的に残ることだろう。

このツールRomancerは誕生から10年目となった。もっともっと活用されるべきだと思う。私ももっと使っていきたいと思っている。