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学び始めは情報集めから

幕末・維新期の科学技術史の学びを始めてまずやっていることは,手持ちのテレビ録画と本を使って,関連する情報を集めること。

科学技術史の勉強は学生時代以来,何十年もやっていながら,意外と幕末・明治期のことは知らない自分に気が付きました。自分の研究テーマではなくても,周りにいる人や学会での研究発表などから,古今東西の実に多様な話題を聞く機会はあるのですが,私の記憶に残らなかったのか,実際にそうしたテーマの研究者が少ないのか,その両方かもしれません。

私がやる情報収集の方法は,まずテレビ番組の録画をいくつか見て,その時代やテーマのイメージを作っていくというものです。情報量としてはそう多くないかも知れませんが,映像によるイメージはとても重要だと思っています。歴史について文字情報のみで理解しようと思っても,なかなかイメージが湧かないので,理解が進まないことが多いです。ある程度イメージが湧くようになると,文字情報からもいろいろと想像できるようになります。

普段からテレビ番組の録画をしていない人にとっては,調べたいと思ったことについてのテレビ番組をすぐに探してみることは難しいかもしれません。NHKオンデマンドなどのサービスがもっと充実すればいいなと思います。

テレビや本からの情報を得る際には,むやみに多くの情報を集めるのではなく,自分の関心を持った人や出来事などについて,一つ一つしっかり見極め,そこから関連する情報を探していくというように,情報同士の関連を常に意識していくことが大事だと思います。

例えて言えば,夜空に明るい星を一つ見つけたら,その近くの星を線でつなぎ,星座を作っていくようなものです。

すでに常識となった星座もあるでしょうが,夜空に線は引かれていませんので,自分で新たな線を引いていき,自分だけの新たな星座を作ってもいいでしょう。歴史を学ぶときの楽しさは,そうした星座づくりに似ているような気がします。