- 運営しているクリエイター
2018年2月の記事一覧
家族という呪い 、「絆」というゼロ記号。:目次
私たちは「絆」を語りたがる社会に住んでいる。何か事件が起こると、それを「周囲の人々との絆」と結びつけて語ってしまったりする。社会問題を「絆」に結びつけて語らせようとするのが、わたしたちの住んでいる社会らしい。
しかし、実のところ、これは近年になってから登場してきた傾向であった。他者と生きる限り「人間関係」というものについて考えざるを得ないと思われるのだが、少なくとも我々はつい最近まで、それを「
家族という呪い、「絆」というゼロ記号。:序章 なぜ我々は「絆」を語りたがるのか
「ねえ、家族というのは、一種の幻想。『呪い』のようなものだと思わない? 考えてもみてよ。『家族』という名に縛られて苦しむ子供たちのことを。愛という名目のもとに、子供に何をしても良いと勘違いしている親たちのことを。彼らが本当に愛しているのは自分自身だけだというのに、子供たちはただ家族だからという理由で、親を愛し、きょうだいを愛さなければならない。」
(『輪るピングドラム』)
(朝日新聞を対象に