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宇宙語を話す人たち

私は本を読むことが若い頃から大好きで、暇を見つけては書店に行き、興味ある本を片っ端から読み漁り興味ある分野の本を一度に数冊買い込んで読み耽った。
娘の中学受験の時は、中学受験関連書籍や雑誌『頭のいい子が育つ〜』とか『志望校に合格する子の親は〜が違う』的な本や『算数はここを鍛える』『漫画で学ぶ理科』など、それこそ古本屋が開けるんじゃないかと思うくらい買い込んだ。
大学受験の時は『〜大学の英語』『センター試験の国語のポイント』『〜大学の英文法』とか、書店の店員さんが苦笑いするほど買って帰った。
娘の受験のための本とは別に当時(今でも)目に止まったのは仕事のリーダーさんが読みそうな『チームをまとめるのは〇〇が9割』とか『〇〇マネジメント〜』というタイトルがついた意識高そうな本だ。
実際仕事で役に立った経験談をサンプルに様々なケースについてアドバイスが書かれているのだが、そういう分野の本を10冊ほど読み漁ってみて共通してると感じたのが


『カタカナ言葉が大渋滞

ということだった。
もちろん意味が分からないわけじゃないし、今では普通に使われてる言葉なのだから何の問題もないが、本の帯が『初心者お断り=keep out』と書いてあるみたいに見えた。
確かにビジネス書なのだから、普段からそういうカタカナ言葉を使う人たちが読む物として書店に並んでいるのだろうが、そのコーナーに来るのはビジネスマン以外いないと思う根拠はなんだろう?
もしかしたらビジネスの世界から離れていたが、仕事が楽しいからチャレンジしてみようと思った人が読むのではないかという想像はないのだろうか?それともビジネスマンでなくても『これくらいは常識』なのか?

例えば『コーチング』という言葉がよく使われている。
その言葉自体とは初めましてでも『運動部のコーチ』って言うから教えること?くらいは想像つく。でも教えるだけならば『ティーチング』のはず。『コーチング』は対話しながら、相手が自主的(能動的に)行動し成長することを目的として支援することだと書いてある(コーチングとは…で検索)
大人なんだから分からなかったら調べればいいじゃん!なのかもしれない。みんながみんな同じような環境で育ってきているならば何の問題もない。そう、『同じ環境ならば』。
『コーチング』と言われて、すぐに理解できる人もいれば『テニスのコーチのこと?』くらいまで想像つく人や『こおちんぐ?』と頭の中に?がいっぱいになってしまう人もいるだろう。すぐ『そんなことも知らないの?』と言ってしまうような人に『コーチング』ができるのか?と疑問に思ってしまう。

『頭の良い人』と聞くと『学歴が高い人』が思い浮かぶ。例えば東大生。さぞかし難しい言葉を駆使して相手をビビらせまくっているんだろうと思っていたら(そういう人もいるかもしれないけど)頭の良い人ほど難しい言葉は使っていない。特にテレビや動画で喋る人たちは見ている、聞いている人のこと考えて、それこそ幼稚園生にも分かるように噛み砕いて解説している。
時折知識がこぼれ落ちることもあるが、すぐに上手に解説を加える。嫌味になることなく。語彙も豊富なので言い換えも瞬時にできる。こういう人々が教員に向いているのだろうと思う。
『エセ頭いい人』は自分が発した言葉を一回で理解できない人を『ばか』だと言う。童話の『はだかの王様』みたいなもので、『ばか』と言われることを恐れる大人は『わかったフリ』をしてしまい失敗する。すぐに他人を『ばか』だと言う人は、大抵突っ込んだ質問をすると『そんなこともわからないの?自分で調べなさい』と言う。理由は簡単『自分に能力がないのがバレるから』

意識高い系の本を書いている方々全員がそうだと思わない(というか思いたくない)せっかく様々な経験を積んで能力を身につけたのなら、あと一歩踏み込んで、その人の経験したことやアドバイスが無駄にならずに活きるように、幼い子供でもわかりやすい解説を加えることが必要だと思う。
それは相手を馬鹿にすることにはならず、自分の能力と評判もアップさせることができるのに、やらずに済ます手はない。
そういった解説本もあるにはあるが『今更きけない〜』のようなタイトルがついている本は手に取るのを躊躇ってしまう。『んじゃ、アナタにはきかないわ』と思ってしまう。

娘が大学生になった今でも、ビジネス系の本を探したり、YouTubeの動画を見たりしている。YouTubeは登録されてなんぼのモノなので、わかりやすい動画は登録者数が多く高評価。頭の良い人が作ってることがすぐに分かる。
言葉のわかりやすさや、相手を尊敬する気持ちは、高学歴であることよりも大切なことだと、今になって感じている。
私は『意識高い系』ではないし、『そんなことも知らないの?』と言われてしまう側の人間だが、色々なことを学ぶときには、しっかりと知識を自分のものとして整頓できるまで他人に指導するなどと、おこがましい考えは持たずにいたい。そして、わかりやすい言葉にするための勉強意欲、相手を尊敬する気持ちは持ち続けたいと思っている。



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