東方覇天港の話

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こんちわ!風雲です。

今年から就職しちゃって創作活動も学生の時よりは大人しくなってしまうかもしれないと思う今日この頃。
ここ2年くらい散々擦ってきました東方覇天港が新しい形で世に出されました。

Booth↓

実はかなり焦りながらギリギリで出してたんですが、形としては良い感じに収まっているので満足です。
ここまで形にしてみれば流石に曲を作っただけより満足度が半端ないですね。


さて、ストーリーやキャラクターを作ってくれたのはこんぶさんですが、原案を考えたのは私になります。なので大元のイメージや裏話的なことをここにつらつらと書いていきたいと思います。

ほんとメモを大量放出させたみたいな内容なので分かりづらいかと思いますが何となく雰囲気で分かってもらう感じで……

あと覇天港の感想等を呟くときに「覇天港」ワードを入れるか、
「#東方覇天港」みたいな感じにしてくれると私が探しやすくなります。



1面

覇天港自体、天候の異変にしようと思って

「天候…荒れてる空…破天荒…覇天港…」

と、脳内変換が行われて決まりました。

1面曲といえば軽めのカッコよさがあると考えているので雷を題材にした「天空ライトニング」にしました。
そして雷に関係ある妖怪は何だろう…と考えても全く思いつかなくて、
何となく単語からサンダーバードが思いついたので「雷鳥にしよう!」
となりました。

最初思い描いていた一面の雰囲気としては、

空が徐々に曇り空になっていく中、時々雲の間から光が差し込んでいるような雰囲気です。実際1面道中曲はそんな感じのイメージで作ってました。まだ完全に曇りきっていないんですね。

ボスになると雨は降ってなくて雷がゴロゴロとなっているような雰囲気。1ボスちゃんが落雷で攻撃してきそうです。


2面

2面と言えば雨みたいな感じがあったので雨にしました(?)

とはいえ流れ的には「雷雨→雨宿りするために森林に逃げ込む→2ボスと遭遇→決闘ッ!!」って感じが自然かなと思ってました。

当初は小傘を出そうかなと思っていたのですが、キャラクターをつけるとなった段階でオリジナルになりました。どっちにしろパラソルじゃないじゃんっていうツッコミはやめてください。曲名の語感が良かったんです。

ちなみに没という訳ではないんですがSTG用の曲ではない、ステージ背景をイメージした曲があります。


【東方風自作曲】雨止まぬ宿木
https://www.youtube.com/watch?v=3q_G6aKeUc4

せっかく一作品分の設定があるので同じようなコンセプトの曲を作っても良いかもしれないですね。外伝的な。




3面

彼女が住まう暗い洞窟には名も無き妖怪たちが住んでいて、霊夢たちにも存在は何となく分かるのですが、その姿形を見ることはできません。
そこにいるのかどうかすらもわからない妖怪たちの集合密集地、その親分が船月堂智慧です。

力を失った妖怪、名が廃れて形を保てなくなった妖怪たちには「影」がなく、日の下を歩くことができません。そのため明かりの無い洞窟に身を潜めているのです。
しかしいない物が集合してしまうと、それは元々いくつだったのか、何体いたのかすらわからなくなり、妖怪だった彼ら自身も元が何だったのか忘れているでしょう。

そんな名も無き妖怪に名を与え、形を与えるのが智慧の役目です。


・・・という設定を妄想するだけしてメモ帳に書いたやつをぶん投げたら達磨モチーフのデザ秀なキャラが出来上がってきました。恐ろしいですね。
ちなみに当初二重人格のような二面性があるという設定が自分の中にはあったのですが、流石に盛り過ぎなのでキレると怖いタイプというふんわりした設定に変わりました。

なぜ過激な二面性があるかというと、彼女は影を与える側であり創作者でもあります。その我の強さは己の影の濃さに現れていて、存在が危うい妖怪たちに囲まれて過ごしている彼女にとって洞窟内唯一の「存在」なんですね。
妖怪たちのために存在している彼女を支えているのは名も無き妖怪たちであり、それはある意味信仰とも取れます。
つまり智慧は妖怪を描くことができ、妖怪は自身の存在を存続できるというWin-Winの関係とみせかけて、実は妖怪の残り少ない存在(影)を吸い取っているのは智慧自身だったという話です。

…的なことを3面にずらっと書き記していたんですがこの面だけ設定の量がおかしいんですよね。

もう自分の設定とこんぶさんが考えてくれた設定が頭の中で入り乱れてるのでよくわかってないですが、最初は1ボスと2ボスも智慧が生み出して送り出した妖怪という設定でした。実質娘みたいなもんですね(?)

もう自分の広げた風呂敷が閉じられそうにないのでここで放出しておきました。

この設定はあくまで当初の私が考えていた設定なので、実際に配布されている物の設定とは違うことがあります。三次創作などにお使いください。


ちなみに曲の話をすると、恐らくこの面が一番苦戦しました。そのため途中までしかできていない没曲達が無数にあります。
パーツとしては優秀な曲もあるのでいつか作り変えて出したいですね。


4面

ここで覇天港と呼ばれる港が出てきます。港と言っても、それは天人から見た場合「港」と表現するしかないため、実際に港と言う体を保っているわけではありません。
どちらかと言えば関所のようなものだと思います。

雲海の中で天界への入り口を警備する門番的な立ち位置のキャラクター、それこそが岩座さとみちゃんです。

さとみちゃんって名前良いですよね。岩モチーフに柔らかそうな名前がついてるのが個人的に萌えポイントです。

最初キャラクターの指定はなく、何も考えついていない。そんな状態ですが曲だけはできているという状態で、割と強引にキャラ決めをした気がします。
そのせいで曲勝ちしてるような面になってしまったんですが、意外とこのギャップは好きなので良しとします。何より曲が良い。

ちなみにスカートのしめ縄と日食のマークは私が考えました。

道中曲の曲名ですが、最初からこの面に「東方覇天港 ~ empty gateway」と入れる考えでした。作品タイトルが4面道中で出てくるのって、もし体験版から製品版への流れでプレイしてたら超ムネアツですよね。

「empty gateway(空っぽの港)」の意味ですが、そもそもこの東方覇天港という作品のいたるところに「二次創作」である証明として
否定形の意味を持った表現をいくつかしています。

空っぽの港、つまりそもそも覇天港という物自体存在していない。
招き入れる客もいなければ利用する者もいない港、ならばそれは港とは呼べず、意味のない物です。

3面では影の無い存在を保てない妖怪がいるという設定を作っていました。存在を保てない状態であることには違いなく、その妖怪たちは決して「辛うじて存在している」という状態でもありません。
つまり虚無が存在しているのです。

虚無に形を与える船月堂智慧。
形を与えることによって存在を立証する。

虚無を警備する岩座さとみ。
警備することによって存在を立証する。

どちらも無を有に差し替えているキャラクターです。

ここが地上と空の境界線であり、空(から)の境界線になります。

何故境界線なのか。
そもそもあらゆる創作において一次創作者に許可を取っていない二次創作は全般的にグレーな存在と言えます。
グレー(色)というのは白と黒の間のことですが、実際にはグレーという色は確認できません。その場合白と黒が混合している色をグレーと呼びます。

そのグレーのラインがこの東方覇天港になるわけです。

つまりめっっっっちゃくちゃ回りくどいやり方で「この作品は二次創作だよ」ということを伝えています。
(ちゃんと伝わってるか以前に自分の頭の中でもこんがらがっている)

これ以上、上手い表現の仕方が思いつかないのでこれくらいにしておきます。(つかれた)


ちなみにINT3くらいの回答なんですが、実際サブタイが「the Garden of sinners」だったり空の境界の話だったりは単純にその時ゲオでレンタルしてきた空の境界を見てたからです。マジです。(ちなみに未だ未完走です)
サブタイ見た時「あ~東方のサブタイにありそ~~」って思ってたんすよ。


5面

5面は完全にこんぶさんの設定で組みあがりました。

名居撫子というキャラクターは、名前から分かる通り比那名居に関係する人物です。

正直これを聞いた時「天才か」と思いました。

この作品は二次創作だと伝えるために否定的な言葉や意味のない言葉を入れていると書きましたが
「名居」「無い」と読むことができるのでコンセプトに合致した名前でした。

このキャラクターのインパクトが強かったので、曲も曲名も全て作り直しを行いました。(めちゃくちゃ迷走していたので)

そもそも異変の内容からして天人が関わっているのは確実だったので、どこかに緋想天オマージュを入れたいと思っていました。
5ボス曲「緋天虚想曲」は緋想天のサブタイトル「Scarlet Weather Rhapsody」の直訳「緋天狂詩曲」をもじったものです。
曲名の「虚想」も否定的な意味合いを持っていますね。

…え?なんですか?Pixiv百科事典見ただろって?

知らない子ですね…。

ちなみに二つ名の「風雲を告げる童女」ですが、なんか私の名前入ってますね。
二つ名は全部こんぶさんが決めたんですが、いや中々恥ずかしいことしてきますよねあの海藻。


6面

マジで設定が何もなかった面です。

お話を作るうえでラスボスは一番大事だと思うんですが、全く誰を配置したらいいのか分からなかったので、最初から考えていたキャラクター構想は放置する結果となっていました。
その構想をこんぶさんがしっかり仕上げてくれたのが現在の本作「東方覇天港」になります。
いやー助かりました。

とはいえ最初何となく考えはあって、現状に不満を持っている天人が天界を乗っ取ってなんやかんやする、みたいな感じだったと思うんですが
後々こんぶさんに設定を渡した時に実際の東方での天界と天人の設定を聞かされて「全然合ってないなこりゃ」となったので全部委ねることにしました

曲名の「輪廻の狭間を知る者よ」も何とかなれ~!!という気持ちでした。
時々「輪廻…Exはアンデット…ふぅん」みたいな察しコメントがついてましたが「お前天才じゃん。採用」って気持ちですよ
多分神主とかゲーフリが日常的に深読み勢に感じてる気持ちこんな感じですよほんとに。

にわかでも人に任せたら何とかなりますよ(他人事)


Ex面

6ボスは決まっていないのにここだけ魃というキャラクターが設定されていました。

地震や悪天候が散々起こったものの、無事解決した異変。しかし今度は逆に雨が一滴も降らないひでりが続いてしまい、キレた主人公組がまた天空へカチコミにいく、という流れだと思います。
ルビサファのグラードンみたいな。

道中の「結界オレオール」は以前望宙ゆずさんのジェネリック東方新作にて出させていただいた曲のアレンジになります。

ジェネリック東方新作、みんなで視聴。【東方風自作曲/東方再翻訳】
https://youtu.be/JnyuWukH5GM?t=6716

元々覇天港に収録するつもりで作った曲ではありませんでしたが、
曲名のオレオール太陽の光輪を意味するため丁度テーマと一致していたので起用しました。
意外とこの曲を好きだと言ってくれる人が多かったので、私の曲をよく知ってくれている人向けのファンサービスのようなものです。雰囲気はかなり変わってしまいましたが。

ボス曲「残照のアンデットガール」はそもそも曲名が東方覇天港の後編動画投稿する当日に決まりました。曲自体もかなりギリギリに作った物です。

しかし中々どうして狂った感じの曲になりまして、本作の中でも屈指のお気に入りなのですが同時にその人気も結構あるようです。
海外の方やその他感想でもかなりお褒めの言葉を頂いており満面の笑みです

切羽詰まった環境で作曲していたので自暴自棄になってめちゃくちゃな打ち込みをしてましたが、まさかこれが良い方向へ働くとは
ラスサビが思いつかなくて使い回しになってしまったのは申し訳ない。


さてこの面のキャラクター、魃こと茅山緋依(ちがやまひより)
魃という設定こそ私が与えた物の、それ以外はこんぶさん作です。

ただこの魃(ばつ)という名前は×(バツ)という意味合いもあり、この作品通して言っている否定形の隠喩になります。
実は覇天港前編の動画のタイトル画面の背景がよく見るとクロス(×)しているのもこじつけみたいですが否定形の隠喩です。

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バッテンで始まってバッテンで終わるんですね。
ここから始まってここで終わるという封のような印でもあります。

否定形の話で言うとタイトル曲の「天変地異の覆う空」も
「覆う空」を「大嘘達」とも読めるな、みたいな考え方をしてました。



以上!覇天港の話でした!

もうキャラクター制作が始まったのは1年前だし、初期設定に関しては2年前になるので記憶が飛び飛びですが粗方出し尽くした気がします。

改めて書きますが、ここに記されている設定はあくまで私が当初描いていた、もしくは頭の中にある抽象的なイメージです。これが正しい姿とは限りませんし、人それぞれに形はあるべきです。

そもそも私が覇天港をこんぶさんに託したのも、私が思いつかないアイデアで覇天港を彩ってほしかったからです。
土台は私が作りましたが、その上に何を乗せ何を飾るのかはその人次第です。二次創作三次創作こそもっと自由であれと思う風雲です。


長くなりましたがここまで読んでくれた方はありがとうございます。

風雲がお送りする作品はまだまだ作っていく所存です。
それは東方覇天港ではない物も。

まだまだこれからも東方覇天港をよろしくお願いします!




こんぶさんサイドの裏話
https://note.com/th_seaweed/n/nbd752ffd4189
おまけtxt
https://note.com/th_seaweed/n/n7086fe67f526

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