お金発行のカラクリ2

お金の本質とは債権債務の記録という「コト」だと書いた。
では紙幣とはいったい何なのか?それは債権証書である。

 我々が一万円札を一枚手に入れたとき、我々は日本銀行に対しての一万円分の債権を手に入れたことになる。また、この一万円で何か物を買うときには、物を手に入れる際に発生する債務(代金支払い義務)を日銀に対する債権証書一万円分で弁済することになる。
 つまり、一万円札に一万円の価値があるのではない。ちなみに一万円札の原価は21円程度だそうだ。

 なかなかにわかりにくいとは思うが、上記のように考えると銀行預金、小切手に関しても同じような説明ができる。銀行振り込みで何か物を買う場合は、銀行に対して持っている債権(預金債権)を相手方に引き渡すことにより弁済することになる。小切手や手形の場合は当座預金の預金債権を相手方に引き渡すことによって弁済することになる。
預金通帳の額面は、我々から見ると銀行に対する債権の価格であって、銀行から見た場合は債務の価格である。

つまりお金が何らかの形でそこにある以上、それは誰かの債権であり、同時に誰かの債務であるということが言えるのである。

逆にお金は「モノ」であり、それ単体に価値があるものだと考えると、銀行預金や小切手は説明ができない。その債権債務にその価値があると考えるべきではないだろうか。

では、お金の本質が債権債務の記録だとして、だからそれがどうしたというのだ!という反論はあるだろう。しかしここからが本当の問題なのである。

つづく!

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