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慢性的な首の痛みに効果的なアプローチ:グローバル姿勢リハビリテーション(GPR)とは?

慢性的な首の痛みは
患者さんのQOLを大きく損なう問題となりますよね

今回は グローバル姿勢リハビリテーション(GPR)
というアプローチをご紹介します。

GPRは、身体全体の筋肉のつながり(筋肉チェーン)
に着目した治療法です

従来のストレッチングが
個別の筋肉に焦点を当てるのに対し
GPRは筋肉チェーン全体をストレッチングすることで
姿勢の歪みを矯正し、痛みの軽減を目指ざす方法となります

GPRの効果を検証した研究

慢性頚部痛を有する女性の痛み、可動域、QOLに対するGPRと静的ストレッチの効果:無作為化臨床試験

こちらの論文では
慢性的な首の痛みを持つ女性を対象に
GPRと従来の静的ストレッチングの効果を比較しました

結果は
両方のグループで痛みの軽減
可動域の改善
QOLの向上が見られ
その効果は6週間後も持続した

ことが報告されています

GPRの具体的な方法

GPRでは、患者さんは2つの主な姿勢を15分間ずつ保持します。

・後部筋肉チェーンのストレッチング
(僧帽筋上部、肩甲挙筋、後頭下筋、脊柱起立筋、大殿筋、腸骨筋、上腕三頭筋、足底固有筋)
患者は後頭部、腰椎、仙骨を安定させ、下肢を90°股関節屈曲させた仰臥位で横になり、膝を徐々に伸展させる
前部筋肉チェーンのストレッチング:
(横隔膜、小胸筋、斜角筋、胸鎖乳突筋、肋間筋、腸腰筋、腕、前腕、手指屈筋)
患者は仰臥位で上肢を30°外転させ、前腕を仰臥位とした。骨盤は後転させ、腰椎は安定させた。腰は屈曲、外転、側方回旋させ、足の裏を触れ合わせる。徐々に患者の限界を尊重しながら、脛足関節の角度を90°に保ちながら下肢を可能な限り伸展させる

これらの姿勢は、手技療法と組み合わせることで、より効果的な治療となります。

GPRの利点

  • 全体的な姿勢の改善: 筋肉チェーン全体をストレッチングすることで、姿勢の歪みを矯正し、痛みの原因を根本から改善します。

  • 痛みの軽減: 筋肉の緊張を緩和し、血流を改善することで、痛みを軽減します。

  • 可動域の改善: 筋肉の柔軟性を向上させ、関節の可動域を拡大します。

  • QOLの向上: 痛みや姿勢の改善により、患者さんのQOLを向上させます。

まとめ

GPRは、慢性的な首の痛みに対する効果的な治療となる可能性があります
15分は長いですがこれらのチェーンを使ってストレッチするのも
アプローチも面白いと思います
一度論文を読んでみてください

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