個人事業主が悩む これって経費?


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個人事業主の方が事業で使った費用は、どこまで経費として計上できるのでしょうか?
細かい費用でも経費であると認められれば、国に支払う税額は変わります。特にフリーランスや個人事業主の方にとって、経費申請できるかどうかは収入に大きな影響を及ぼすのではないでしょうか。

ここでは、個人事業主の方が迷いがちな経費になるもの・ならないものをQ&A形式で分かりやすく紹介していきます。


経費になるもの

一般的な経費になるものものは以下の通りです。

☑租税公課    ☑通信費
☑旅費交通費   ☑福利厚生費
☑修繕費     ☑給料賃金
☑外注工賃    ☑貸倒金
☑荷造運賃    ☑水道光熱費
☑広告宣伝費   ☑損害保険料
☑消耗品費    ☑減価償却費
☑利子割引料   ☑地代家賃代

個人事業主の経費計上Q&A

1.旅費で妻と旅行いってホテルに宿泊した時は?
2.仕事で怪我して病院にいった場合は?
3.店舗の補修のDIYで板を買って補修した場合は経費になる?
4.カフェで仕事をした場合の飲食費は?
5.自宅兼事務所に設置したウォーターサーバーの費用は?
6.自宅兼事務所においた観葉植物の費用は?
7.生命保険料の費用は?
8.個人事業主の健康診断や人間ドックの費用は?
9.スポーツクラブの会費は?
10.セミナー参加費は?
11.キャバクラなどでの接待の費用は?
12.取引先との忘年会の費用は?
13.スーツは経費?
14.事業で車を使った際にした駐車違反の罰金は?
15.プライベート・事業利用兼用の車のガソリン代は?
16.SuicaやPASMOなどの電子マネーで払った交通費は?
17.自宅を事業で使っている場合の水道費は?
18.携帯電話の費用は?
19.自宅兼事務所を引越しする場合の引越し費用は?
20.事業で自宅を使っている場合の家賃は?

ここでは上記の項目を、個人事業主やフリーランスの方が「これって経費になるの?」とよく迷う例を具体的に解説します。

1.旅費で妻と旅行いってホテルに宿泊した時は?
【No】家族旅行としての費用は経費にはなりません。ただし、配偶者同伴が義務の出張は、経費として認められるケースもあります。

2.仕事で怪我して病院にいった場合は?
【No】ご自身に関するものであり、治療費なので経費にはなりません。一定額以上は、「医療費控除」として所得から差し引くことができます。

3.店舗の補修のDIYで板を買って補修した場合は経費になる?
【YES】板の購入代金は、店舗の修復なので経費にすることができます。

4.カフェで仕事をした場合の飲食費は?
【YES】ノマドワーカーがカフェで仕事している場合のカフェ代は、経費にすることができます。ただし、食事代部分は家事費になり経費扱いにはできません。

5.宅兼事務所に設置したウォーターサーバーの費用は?
【ケースバイケース】あくまでも事業で使用している場合に限り”経費”になります。なお、お客様に提供している場合は「交際費」などでの経費計上が可能となります。

6.宅兼事務所においた観葉植物の費用は?
【ケースバイケース】観葉植物は”経費”になる可能性が高いです。
経費計上可能なものは事業に関連した支出であり、自宅兼事務所という前提において、事業用として区分したエリアに配置されているのであれば、認められる可能性が高いと考えられます。

7.生命保険料の費用は?
【No】 個人事業主の生命保険料は”経費”になりません。
一方で会社の代表者の生命保険の保険料は経費として認められています。
なお、生命保険料は生命保険料控除の対象とはなっています。

8.人事業主の健康診断や人間ドックの費用は?
【No】 健康診断などの費用も”経費”になりません。
個人事業主の場合は、法人の場合と異なり、プライベートな支出と判断されてしまいます。

9.スポーツクラブの会費は?
【No】スポーツクラブの会費は”経費”になりません。
個人事業主の場合には「福利厚生」という概念が存在していないためです。

10.セミナー参加費は?
【YES】 自分の事業に関係があるようなセミナーへの参加費は”経費”になります。
同様に自分の事業に関係がある書籍や雑誌などの購入費も経費計上できます。

11.キャバクラなどでの接待の費用は?
【YES】既存顧客や見込み客との親睦を深めて良好な関係維持や受注を目的としていますので経費となります。

12.取引先との忘年会の費用は?
【YES】忘年会でかかった費用は「接待交際費」になるため”経費”になります。
ただし、認められるのは一次会の費用までで、一次会の費用も社会通念上通用する程度の金額となっています。
なお、会議を目的として行われている場合は「会議費」という科目に入ります。
会議費とは、会議のための飲食などの費用を指します。

13.スーツは経費?
【ケースバイケース】
・職務で専ら着用している
・地位・職種に応じ勤務上、一定の種類・品質・数量以上の被服を必要とする
場合などは認められるケースがあります。

14.事業で車を使った際にした駐車違反の罰金は?
【No】罰金は“経費”になりません。
ただし、その際にかかったレッカー代などの費用は経費計上することができます。

15.プライベート・事業利用兼用の車のガソリン代は?
【YES】ガソリン代は”経費”になります。ただし、経費計上可能なのは事業で使っている部分のみとなります。例えば、期間中の総走行距離が100Kmでその内の30Kmが事業のための利用の場合にはその30Kmの部分が経費計上可能となります。
購入費の減価償却費なども同様に使用割合に応じて経費計上できます。

16.SuicaやPASMOなどの電子マネーで払った交通費は?
【YES】 SuicaやPASMOを利用した交通費も”経費”になります。
ただし、チャージ時の領収書のみでは交通費として認められない可能性が高いため、こまめに履歴を印刷しておくようにしましょう。

17.自宅を事業で使っている場合の水道費は?
【YES】水道費は”経費”になります。
電気・水道・ガスは、事業に対して使っている割合の分を経費計上することができます。

18.携帯電話の費用は?
【YES一部】 携帯電話の電話代は”経費”になります。
注意点として、プライベート用と仕事用を一緒にしている場合には、全体から仕事で使用した部分の割合のみしか経費計上できないという点です。

19.自宅兼事務所を引越しする場合の引越し費用は?
【YES一部】引越し費用も”経費”になります。その場合の計算方法としては上記の家賃の場合と同様に自宅面積の内で事業に使用している部分の割合に応じてということになります。
なお、礼金も同様に割合に応じて経費計上することができますが、敷金はNGとなっています。

20.事業で自宅を使っている場合の家賃は?
【YES一部】 事業で自宅を使用している場合は”経費”になります。ただし、その際には自宅面積のうち事業に使用している部分の割合に応じてとなります。
例えば自宅面積のうち3割を事業のために使用している場合は家賃の3割が経費として認められることになります。

まとめ

「事業のため」であれば“経費”として申請できる場合が多いです。
逆に第三者から「事業と無関係である」と推測されてしまうような費用は”経費“として認められません。

「もしかしてこれって経費でいけるかも知れない」と思った方は、試しに申請してみることも節税対策の一つとして有効であると考えられます。
消費税が10%に上がったことも話題になっていますが、オン・オフに関わらずしっかり節税はしていきたいところ。

この機会にぜひ、“経費”で申請可能な項目を洗い出して、節税に努めてください

中小企業コンサルタント。 独自の財務分析手法である『田目財務』を考案したり、オンラインサロンの『未想塾』や業種横断型ローカルビジネスネットワーク『たよりーtayoly』を企画・運営を行っている。 https://www.facebook.com/dai.overtake