エクスプロイト

 エクスプロイトについて、非常に浅い内容で何か書こうとしていたが、それよりはまず良いインプットをした方がよさそうということで下記の記事を読んだ。

https://note.com/trstw/n/n55d5bccac9fe
https://note.com/trstw/n/n0ca2263b1cee

https://note.com/vast_lotus905/n/n169869661b75
https://note.com/vast_lotus905/n/n0d746da2e01b

 上二つは主に理論的な内容で、とくに上の記事がわかりやすかった。「エクスプロイトといっても、まあ攻撃的な相手にはタフコールして、フォールドの多い相手にはたくさんベット/レイズして、コーリングステーションにはブラフしないでバリューベット/レイズすればいいんでしょ。」という浅い理解であったことを反省する。ポーカーというゲームを立体的に捉えるという意味でも読む価値の高い記事であると感じた。(ここでいう立体的、というのはあるスポットでの平面的な広がり=相手と自分のレンジがあって、それぞれチェック/ベット(あるいはフォールド/コール/レイズ)というアクションに色分けされていて、どちらか一方のアクションに偏りが生じると他方に影響が出る、ということに加え、ストリートという時間軸のような軸が存在し、前のストリートと後のストリートがあるスポットでの偏りの影響を受ける、というようなイメージ。))
 下の二つはありがちなリークに対して実際にツールで検証している内容で、理屈をもって具体的なアクションに落とし込むという意味で実戦的だし面白い内容だと感じた。

 ただし。

 データの残りトラッカーが使用できる環境であれば、十分な数の観察結果をもとに正しいエクスプロイトの構築をすることができる。たとえば環境全体でpreflop 3bet%が5−6%ということであれば、相手のpreflop 3betに対してはオーバーフォールドする、とうようなことができる。しかし、ライブのポーカーでは基本的には極めて少ないハンド数で相手のリークを見つけ出さなければならないことになる。そして、一番上の記事にあったように、リークの性質は限定的で条件が変わると相手の行動が大きく変化することはよくあることで、「どのようなリークか」を正確に把握できなければ利益的でないプレーをすることになってしまう。(たとえばflop CB過多な人がリバーでブラフ過少になっている、など。)

 さらにさらに、「どの程度こちらのアクションを変化させるか」ということは、その場では感覚に基づいて行われる。エクスプロイトの意識が強すぎると、オーバープレイしてしまい結果として「均衡的なプレイの方が得だった」という結果になることもありうると思う。しかしエクスプロイトは時に大胆なアクションの変化が有効な場合も多いようである。このあたりの、「均衡を目指す」ということと別の意味でのバランス、という点でも難しさがある。
 予め「このようなリークに対してはこのようなエクスプロイトが有効」というライブラリーを頭の中にもっておくことで、その場で感じたリークに対してアクションをスムーズに変化させることができるようになる。そういう意味では座学は偉大だと感じる。

 均衡アクションも全然取れないのに何がエクスプロイトだよ、という厳しいもう一人の自分からの批判もある。均衡がわからなければリークしているかどうかもわからないし、アジャストするにも基準となるアクションをしらなければアクションは決定できない。
 それはそうなんだけれど、でも、楽しくポーカーがしたいし、プラクティスで100点近く出るまで実戦はできない、とかの方が長期的にみた実力向上には良いのかもしれないが、そこに到達するときにはポーカー熱も冷めてしまっているかもしれないし、病気になっているかもしれないし、忙しくなっているかもしれない。人生は短いので、色んなことを考えて最大限このゲームを楽しみたいのである。

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