学生の頃に欲しかった物を買う

数百万円の借金をして大学を出て、就職。

初任給で憧れていたテントを買った。布一枚でできた簡素な、でも夢のあるテントを買った。二万円弱。

二か月目の給料でPS4を買った。最近のゲームってすごい。全員人間みたいな顔してる。

三か月目の給料がこないだ振り込まれて、憧れというわけではなかったけど合理的に考えた結果必要だと思った、キャンプ用のベッドを買った。

どれも学生時代の僕には高価なもので、買えなかったものを買った。

でもやっぱりあの時無理してでも買っておけばよかったと思う物ばっかり。

友達とも遊べなくなって、情勢的にも外には出づらい。

僕は仕事柄関係なく外に出ないといけなくて、毎日出勤してる。

遊びはダメで、仕事はやれと。

遅れてきた五月病というか、そういう物がコロナのせいで胸中に芽生えた。

そういうのも含めて、平和だった学生時代に買っておけばよかったと思う。

まぁ、どの道買えなかったんだけどね。お金なかったからさ。

大人になったとは今も思えないけど、少なくとも子供ではなくなって、財布の中の小遣いは増えて、欲しいも穂は発売日に手に入るようになった。

でも『あの時だったからこそ欲しかった』物ばっかりになってる。

友達とこれで遊ぶとか、そういうの。旬っていうのかな。

色んなものにあるんだろうなと思った。旬って。

憧れてたテントも、ゲームも、行きたかった場所も、暇つぶしさえも。

多分、やりたい事とか欲しい物。欲求には旬があって、それを逃すと味気が無くなってしまうんだと思う。

子どもの頃に抑圧されて、それが大人になって爆発するみたいな話も聞く。

ゲームを買い漁るとか、おもちゃを買い漁るとか、漫画を買い漁るとか。

でもそういうのは僕にはなかった。

抑圧されてた訳じゃないけど、割といろんなものを我慢して他のものでごまかしてきたから、まず初任給で欲しかった思いつくものを結構買った。

さっき言ったテントもそうだし、ゲームもそうだし、本もそう。

でも多分就職して買った時よりも、後々苦労すると分かってても学生の時に買った方が喜びとか心のいろどりみたいなものは得られたんだと実感した。

学生の時はお金が無くて、就職してからは時間が無い。結局全部がそれなりにある時期って無いんだろうな。くそったれめ~。

学生の頃は社会人の財力がうらやましかったけど、今では学生の時の自分がよくやってた、深夜にバイクに跨ってそのへんぶらぶら走る方が羨ましい。

でもこれって、多分これからも繰り返すんだと思う。

就職したてホヤホヤアチアチの今よりも。くたびれてきた中年時代に買った方が旬を逃している物って多いはず。

貯金しないと今の社会じゃどうしたってお先真っ暗だから、細く長く生きるなら節約節約で暮らす方が良いんだろうけど、日々楽しく、っていうなら貯金なんてせずに刹那的に生きるのも悪くないかもしれない。

とかなんとか考えながら帰りのバスに揺られて、家について、風呂に入ってブログを書いてる。

先の自分がどう思うかを考えた時に、とりあえず布団でだらだらしてるのはやめて欲しいだろうから、ブログを書いている。

ビックリマークを付けるのすら億劫になるぐらい疲れてるけどこのまま寝るのは会社に隷属してるようで腹が立つので、ちょっとだけバイクで走る。

あでゅー

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