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【リバース1999】トゥースフェアリーやイベントの元ネタについて【元ネタ徹底解説&考察】

今回はミステリアスな見た目とは裏腹に普通に良い人すぎる『トゥースフェアリー』のルーツについて考察を交えて解説をしていきます。


まずはじめに彼女の名前にもなっている『歯の妖精』について解説をしていきます。

『歯の妖精』は最近出来た妖精の名前で、1903年のシカゴの新聞にて『歯の妖精』の名前が初めて世に出ました。

その新聞に書かれた『歯の妖精』のおとぎ話では、子供の乳歯が抜けた後、枕元にその歯を置いておくと妖精がコインと引き換えに持っていってくれるといわれています。

ではここから彼女のルーツを辿っていきますが、まず【ミディアム】の『エナメル質(=歯)』ですが、これは『歯に纏わる逸話』を意味していると考えました。

まず彼女のネックレスについてですが、これはバイキングが子供の乳歯でネックレスを作っていたという逸話から来ていると思われます。

次に彼女の趣味である”歯の収集”ですが中世の魔女が魔術に使うために乳歯や生き物の歯を集めていたという逸話と関連性があります。

また医療を行う魔女は『白魔女』と呼ばれ、彼女たちは歌(呪文)で妖精を使役したり、歯痛に苦しむ人には呪文を書いた紙を処方箋として渡していたようです。

またアイルランドの白魔女は『カニングフォーク(賢女)』と呼ばれており、彼女達が持っていた『魔女のボトル』の中には、歯や尿、髪などが入っており、それは自然存在を捕まえるためだったり、呪われないためのお守りとして持っていたとされます。

https://www.museumoflondon.org.uk/discover/sorcery-display-witch-bottles

そして、この『カニングフォーク(賢女)』の中に『トゥースフェアリ-』の特徴と当て嵌まる人物が存在しておりました。

彼女の名前は『ビディ・アーリー』と言い、アイルランド語で”歯”を意味する”フィークル”という村でハーブを用いた民間療法を行っておりました。

彼女は女神ダヌの子孫と言われており、妖精と会話することが出来たという神話があります。
また彼女は肌見放さず持っていた”ボトル”を医療を行う前に水晶のように見つめていたとされ、その”ボトル”は彼女の死んだ息子が妖精から貰らい母親に贈った物だと言われております。

『ビディ・アーリー』は魔女狩りの対象になったことがありましたが、彼女は治療で多額の金銭を要求することはなく、多くの貧しい人を救った実績から、火刑は撤回され、彼女が亡くなった際には司祭のもとで”魔女”ではなく”聖人”として葬儀が行われました。
また彼女の死後には、彼女の家にコインを置くと健康になるという逸話が生まれたり、大麻やカクテルなどに彼女の名前が使われるようになりました。

これらのことから【歯、ボトル、医師、妖精】など『トゥースフェアリー』の特徴と関連性があるため『ビディ・アーリー』がルーツにあるのではないかと考えました。



続いては彼女の【本源】である『歯の妖精 育成』ですが、これに関しては『歯の妖精』の用途や、彼女のキャライベントから推測するに、『歯の妖精』は現実世界に於ける『鎮痛剤』に該当するのではないかと考えました。

まず文化1の文章から考察するに『歯の妖精』は甘く、痛みを緩和させる事ができるようですが、これはヘロインシロップやモルヒネなどの麻薬を使った鎮痛剤の特徴と合致します。

『トゥースフェアリー』のイベントでも『メルフェノーネ』というアヘンを使った鎮痛剤が出てきましたが、この『メルフェノーネ』に該当しそうな実在する鎮痛剤がありました。

それは『オピオイド』というアヘンを使用した鎮痛剤で、歯痛から癌治療に使われていました。
『オピオイド』は1995年にパーデュー・ファーマ社から発売され、低依存性と持続性の高さを謳って売り出されましたが、その実は真逆で、依存性は高く持続性が低かったため、多くの人が依存症になり現在までに50万人以上の死者が出ました。
言ってしまえば『オピオイド』どこでも入手しやすい安価な麻薬です。

どうしてこのような悲劇が起こったかと言うと、『オピオイド』は発売前から危険性が懸念されていましたが、パデュー社のオーナーであるサックラー一族は製薬業界では有名で、その一族の名前の大きさとコネクションを利用し医者や保険会社に営業をかけ、十分な臨床試験が行われず発売されました。

医療費が高額なアメリカでは安価な『オピオイド』は歓迎され、連邦政府と製薬会社のお墨付きを貰い全米で広く売られ、更にはパデュー社は”12時間毎の服用”という規定を破り”8時間毎”に処方するよう医師に指示をしていた疑いがあり、多くの患者は許容以上の薬物を接種してしまい依存症になったり死亡するケースが続出しました。
結果的に虚偽のプロモーションと利益重視の戦略は成功してしまいサックラー一族は10億ドル以上の利益を上げ、この事からサックラー一族は”アメリカで最も儲けた麻薬売人一族”という汚名が付けられました。

この一連の騒動を『オピオイド問題』と言い、今回のキャライベントに出てきたアイヴァン教授が”サンチェス家”という名門の一人で、『メルフェノーネ』の特徴や利益重視で販売された話が『オピオイド』と合致しているので、今回のイベントは『オピオイド問題』という実話が元になっている思われます。



続いてトゥースフェアリーのユーディモが『チドリ』になっている理由についてですが、チドリの一種にナイルチドリというワニの口内を掃除する種類がおり、歯科医であるトゥースフェアリーと接点があります。
ナイルチドリは”トロキラス”という神話上の鳥と同一とされており、またトロキラスという名前には、同じ名前の神が存在しており、その神が『御者座』の元になっていることから[ユーディモ=星座]という法則性にも合致します。


最後にトゥースフェアリーのルーツについてまとめます。
【ミディアム】エナメル質(歯)=カニングフォーク/魔女のボトル/ビディ・アーリー
【本源】歯の妖精育成=鎮痛剤
【ユーディモ】チドリ=トロキラス
【展示場】カニングフォーク関係?
【誕生日】国家医師助手の日?

ミディアムのエナメル質(歯)は、医療に詳しい魔女である『カニングフォーク』や、そのうちの一人である妖精と話せた『ビディ・アーリー』

本源の歯の妖精育成は妖精の用途から鎮痛剤を意味しているのだと考えました。

彼女の存在は、彼女の名前にもなっている『歯の妖精』と同じように、”歯”に纏わる逸話が習合した存在だと考えられます。

彼女のキャライベントを要約すると、『ビディ・アーリー』をルーツとするトゥースフェアリーが現実に起きた悲劇『オピオイド問題』を阻止した事で、多くの犠牲者を出さずに済んだという話だと思われます。

おそらく大抵の人は彼女の第一印象では魅力を感じなかったかもしれませんが、イベントで彼女の内面を知ったことで好きになった人は多いでしょう。


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