必要な抑圧とは?#112

ILPではシャドー・ワークを通して、抑圧を解除し、解放したエネルギーを自身の成長と変容のために振り向けることができるとされている。

この文言を表面的に受け取った自分は、抑圧は悪でシャドー・ワークは善だ、と単純化してしまった。そう捉えることによって確かに実践の頻度は高まった。そして随分と無意識に自分を影響しているものや自分の行動を既定しているものに自覚的にもなったように思う。

これからもシャドー・ワークの実践は続けていくことになるだろう。しかし、抑圧の解釈は変える必要があるように最近感じている。

というのも、シャドーの勉強をしたときに、抑圧はなぜ起こるのか?という問いが立っていなかったからだ。もう少し正確に表現するならば、抑圧によって手に入れている恩恵について気づくことができていなかった。

そもそも抑圧というものが生きる上でなぜ必要なのだろうか。不要であるならば抑圧という行為はなくなっていったはずだ。それは人類が進化に伴って視力や記憶力が落ちていったのと同じようにして。

その答えは考えるまでもなく、生きていく上で必要であるから抑圧が起こっている。では、抑圧の目的は何であるというのか。

ここからはあくまでも自分に対して行っている抑圧を自分がどう捉えているかという観点で考えていくことを強調しておく。

まず、これまでの自分を振り返ってみると、抑圧していたのは感情である。特に悲しみ、怒り、不安、寂しさ、恐れといったいわゆるネガティブと言われるものだ。

とにかくそういった感情を抑圧し、感じないよう努めてきた。これは意図せずだ。きっと耐えられなかったのだ。頭ではなく体が、この感情を味わうことは生命的に危機が生じる、という認識をしていたに違いない。

そうであるならば、抑圧というのは実は日々をご機嫌に過ごすことに一役買っていることになる。ここまで書いて、もはや自分の中で「抑圧=悪」という等式は成り立たなくなってきている。

抑圧は必要なもの。そして、抑圧とセットで必要なその解放。つまり、シャドー・ワーク。この往還を大切にしたい。

たとえば、今抱えている悲しみ、苦しみをときに適切に抑圧し、今できることに全力を注ぎ込むことができるということは可能なのだろうか。それとも悲しみ、苦しみをちゃんと味わいきることの方が大事なのだろうか。

どちらも正しいのだろう。本当に大切なのは、その選択をする際の起点ではないだろうか。自分のコアな願いから選択できるかどうかが鍵だ。

ということは自分が苦手としている、未来を描くことが必要なのかもしれない。いつだって今を切り開いてくれるのは未来なのだから。

2022.3.1.昼

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