『決断』を読んで
2カ月借り続けて、読み終えるまでにかかった日付が1日で実に申し訳ない気持ちになった1冊です。○○市の皆様ごめんなさい。
内容をまとめると、生体肝移植についての内容と、提供する側。提供される側の気持ちというか、それぞれの立場での語り合いといった感じです。そのままですね、すみません。
この本を読んで感じたことは、臓器提供することは美談ではないということ。身体にメスを入れるということは、それなりのリスクがある。後遺症がないなんて、もはや過去の神話や幻想にしか過ぎなかったことを感じさせる。そんな内容でした。提供する側にもされる側にも、それぞれの事情がある。著者である河野親子は共に国会議員というまれな立場。息子の河野太郎氏には身重となってしまった奥様が出てこられるのですが、それにしても色々な葛藤があった事と思います。しかし、これも美談にしてはいけないことを感じさせる内容でもあります。妊娠している妊婦の方が妊娠時に死亡してしまう例もあることを考えれば、今現在の医療技術でも死亡が避けられない問題だという事が分かる気がします。
そもそも、持っていらっしゃる方はご存知だと思うのですが、免許証の裏にもドナーカード(臓器提供意思表示カード)印字されています。自分で制作しても大丈夫だとのことなのですが、文面が整っていないと不履行となってしまうので、注意が必要です。過去事例として、記載が不十分だとして希望していても提供者になれなかった方もいらっしゃるとのこと。親族の反対でも提供が出来なかった事例もあるので、家族での話し合いも大切ですね。管理人も免許証の裏の記載をしていますが、提供をしない事と記載しています。なので、もらうことも拒否する予定です。差し上げない人間がもらう権利もないと思っています。
とはいえ、著書内で語られている脳死についてはまだ検討が必要な内容だと思います。そもそも、臓器の一つにしかすぎない脳が動かないからといってその人間が死んだかどうかという死亡判断が今の日本ではまだ片付いていません。その点も含めて今後、議論していかなければならない点はいっぱいあります。また、幼少の臓器提供の海外依存が起こってしまう点も、まだまだ議論が必要です。とはいえ、この点に関しては、脳死ありきのところがあるのですが、果たして脳死は本当に人間の死かどうかといった点で、まだまだ議論の余地があると思っています。とはいえ、臓器提供を受ける側としてはまったなしの状況なので、そんな事を言っているのは甘いと言われてもおかしくないとも思っています。これが、実際に身近に臓器提供を必要としている人間がいるかいないかの差になります。
話が変わるのですが、今現在の関東圏地域での台風の問題は、今まで西日本が抱えてきた台風問題を今更実感した感のある東日本の差を見ている感じです。実際に体験しなければ分からないのです。避難しなければならない状況でも、今までの経験や実感がないと実際の行動に移せない。行政も、防災に対しての対応が出来ない。東電もある意味での被害者になってしまった事だと思います。そもそも、倒木の森林を管理していなければならない土地の保有者の意識不足。もしくは、持っているという自覚すらない方もいらしたのではないかと思います。つまりは、平常時の意識の差が表れた感じ。とはいえ、西日本もある意味でゆるいんですけどね。
身近にならないと感じない。想像しか出来ないのは、どの事柄も同じだと思います。想像で補うにしても、限度があるのも確かです。とはいえ、私たちがどこまで想像して、状況に備えなければならない事柄が無限である気がして気が遠くなるのは、私がまだ一般人だからかもしれません。
以上です
(2019.10.24読了2019.10.26感想文記載終了)
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