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映画「アーヤと魔女」の感想

 「ゲド戦記」「コクリコ坂から」に続いて宮崎吾郎監督の「アーヤと魔女」を観ました。

 原作はイギリスの児童文学作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズ、「ハウルの動く城」の作者さんなんですねえ。

 この「アーヤと魔女」は完成する前に作者が亡くなり、死後に未完成のまま発表されたとのことです。
 原作を読んでいませんから、この映画のどこまでが原作通りでどこからがオリジナルなのかは不明です。

 ではポイントごとに感想を書いていきましょう、ネタバレしますので未鑑賞の人は気をつけてください。

12人の魔女

 冒頭のシーンで赤毛の女性がバイクで走行していると怪しげな車に追われるんです、何とか逃げきった女性は抱いていた赤ん坊を孤児院の前に置いて立ち去ります。
 残されたメモには「12人の魔女に追われているので子供を置いていく、この子の名前はアーヤ」ということが書いてあるんです。

 ・・・いくらなんでも無責任すぎませんか? 危険が迫っているとしても育児放棄を正当化は出来ないでしょう。

 「12人の魔女」というのがどういうものかはわかりませんが、おそらく赤毛の女性は魔女の組織を裏切って逃走したのではないでしょうか。
 これは「12人の魔女」がアーヤを狙って襲ってくるとかいろいろありそうじゃないですか!

いたずらっ子アーヤ

 数年後、大人たちを手玉にとる悪賢さを身につけたアーヤ。良い子を装いながら施設の大人や子供たちを意のままに操る高い知能で孤児院の生活を満喫していた。

 魔法の力で人を操るのではなく、計算づくで大人さえも思い通りに動かしてしまう主人公アーヤ。これはこれまでにない主人公像です、夜神月やルルーシュとはまた違うヤバさがありますね。

怪しい里親

 アーヤは里親に引き取られるんですが、これがかなり怪しい連中なんです。
 魔法の薬作りの手伝いでアーヤをこき使う魔女のおばさん、見た目から明らかに人間とは思えない怒るととても怖いおじさん、見るからに危ない奴らなのに孤児院の人は何も気づかないんですよ。

新しい生活

 アーヤは魔女にこき使われる生活に不平満々だったのですが、持ち前の知能で魔女に反撃したり、おじさんに取り入ったりしてこの家の住人たちをも意のままに操ることに成功するんです。
 こうやって書くと短いですが、このパートがとても長いんですよ、というよりこの映画のほとんどはこのくだりなんです。
 いくらなんでも長すぎでしょう、場面が変わらないし大事件も起きないからひたすら退屈なんですよ。

魔女とおじさんの過去と突然の終焉

 この家の2人はアーヤの母親と過去にバンドを組んでいたことが明らかになるんです、そしてついに母親との再開の瞬間がやってきます。

アーヤの母親「メリークリスマス、アーヤツール」

 ・・・・・え? 終わり?

 まるで意味がわかりません、これから物語が動き始めるのかと思っていたところで突然のエンドロールですよ。

 まさに消化不良という感じでモヤモヤしているんですが、物語が終わってしまったものは仕方がないですね、採点していきましょう。

総合評価

・ストーリー 15点
 孤児院と魔女の家での生活がこの映画の全てです、日常生活を延々と描くだけで大きなイベントが起こらないんですよ。
 やっと物語が動き始めたと思ったら唐突にエンドロールですよ、これから面白くなりそうなところなのに何で打ち切りみたいな終わり方なんですか。

・ビジュアル 60点
 ジブリ初のCG映画ということでしたが、背景はなかなか良かったですよ、汚い室内とかの感じがよく出ていました。
 キャラクターの作画も悪くなかったです、ただジブリの良さがあるかと言われればそうでは無かったですね。

・音楽 50点
 序盤から中盤にかけてはBGMはかなり控えめです、終盤から母親たちが組んでいたロックバンドがテーマになりますから、そのロック曲が使われます。
 ただ悪いとは言いませんが私好みの曲ではなかったですねえ、私は鼻にかかったような声が苦手なんですよ。
 エンディング曲は良かったですよ。

・キャラクター 65点
 主人公アーヤはこれまでに無いキャラクターでした、そんなに好感度は高くないですが、これからどう成長しどうなっていくのか興味がありますね、だから突然の打ち切り展開は残念でした。
 里親のおじさんおばさんもなかなかキャラが立っていました、だから何もイベントが起こらない日常生活もそれなりに見れたのでしょう。
 使い魔の黒猫はいかにもというテンプレートキャラでしたね、もうちょっと変わった動物にすればいいのに。
 母親の描写が無さすぎで印象が薄いんですよ、謎のカタコト喋りは何なんですかねえ?

・総合評価 35点
 絵もキャラも悪くないんですが、ストーリーが絶望的なんですよ。「12人の魔女」って結局何だったんですか? なぜアーヤの母親は追われていたんですか? 里親のおじさんおばさんはかつての仲間だからアーヤを引き取ってくれたんだろうけど、それなら何で最初から彼らに預けなかったんですか?
 わからないことだらけなんですよ、そして話が動き出したところで突然の終焉・・・、もはや意味不明です。
 原作が未完だからこうなってしまったのでしょうか、オリジナルで続きを見たいですねえ、とても惜しい。


 宮崎吾郎監督は父親が巨匠宮崎駿ですからどうしても比較されてしまうでしょう、偉大な父親に比べて駄目みたいな意見をよく聞きますが、私は必ずしもそうは思いません。

 「ゲド戦記」「コクリコ坂から」「アーヤと魔女」は「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」に比べればつまらないかもしれませんが「風立ちぬ」「君たちはどう生きるか」に比べればはるかに面白い作品ですよ。
 父親と比べる外野の声に負けずに独自の路線で作品を作って欲しいですね。


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