No58 漠然とした夢

テレビで時々やってる、小中学生の将来つきたい仕事ランキング。安定志向から公務員がランクインするのをよく見かける。
公務員=安定なイメージがとても大きいのだろうと思う。こんな不安定な政治が為されている国では、公務員の安定神話もいつまで続くか分からないと私なんかは考えるが、それすらを司るように見える公務員には無関係と考える人も少なくないのだろうと思う。
子どもの頃の夢と言えば、私たちの世代は、より具体的に考えていたように記憶する。看護師、警察官、お花屋さんなどなど。どれもしたいことは明確だったと思う。
稀に社長になりたい、お金持ちになりたいという人もいたが、それだって立場が明確な訳だから、具体的な夢だと思う。
それに比べて公務員という夢は、漠然としたイメージがどうしても拭いきれない。
公務員って職種が幅広いし、何なら警察官も公務員な訳だから、そこを敢えて公務員と言うってことは、行政の窓口業務を指しているのかな、その辺りは分からないけど、いずれにしても目指している本人すら公務員のイメージってぼんやりしてるのかなと思う。
安定のためなら、何でもしますという思考なのか、市民の役に立ちたいから何が何でも公務員なのか、入ってしまえばこっちのもんだから公務員なのか、もし市民の役に立ちたい以外の人が大半だとしたら、仕事に対しての思い入れは無いだろうなと感じる。

先日、とある市役所勤務の人に尋ねてみた。
人気の課ってあるんですか?と。
即答で『税務課』と言ってた。
理由は、税に詳しくなれるから自分たちが生活する上で役に立つからとのこと。

なるほど、これが既得権益かとその時思った。

誰しも自分のために生きているし、その事が悪いとは思わない。
ただし私たち職業人がそのことを全面に出したら風当たりはどうだろうか。
対顧客、利用者に対してそのスタンスを出していたら、成り立たなくなるのが職業だと思う。

こんな時代だからこそ、自分の職業に再度誇りを持って生きること、職人気質を持つような、そんな暑苦しさが、必要な気がするんだよね。

あくまでも私の個人的な思いだけど。

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