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約20名のチームをまとめられなかった「実践!う◯こリーダーシップ論」

「リーダーシップとはコンタクトスポーツだ!」

私が所属している「田端大学」の4月定例で自分が最も刺さった言葉だった。

自分は約1年前に会社で約20名程度のチームのリーダーをすることになった。その時に参考にした著書は「V字回復の経営」と「OKR」という図書。組織を生まれ変わらせ、事業を成長させるため、会社はこれらの著書と近い形の体制変更を実施することにしたのだ。

ちなみに結果論ではあるが事業はおかげさまで好調に伸びている。ただ、そこに至る上ではめちゃくちゃ泥臭い話があった。

ぶっちゃけ自分は半ばメンタルがやられて医者にかかるはめにもなった。結婚式を間近に控えた中で飯も喉を通らず何も進まずに中止にしようとすらしていた。

そこには教科書通りにはいかないリアルがあったからだった。

マネジメントは綺麗ごとじゃおさまらない

今回のお題は「THE TEAM」。田端さんは「この著書はいい本だ」と前提をおいた上で遠慮なく、チームマネジメントが法則をあてはめただけできれいごとで収まるわけがないと切り捨てた。

例えば以下の通り...

・意義目標が大事だ!と本に書いてある。だから売上でなく意義のある目標を提案した。でも上司には売上を守れとそのまま返されてしまった。

・メンバーが大事だ!だから隣の部署から引き抜こうとした。でも他部署からクレームが入った。

・メンバーを知ることが大事だ!だから本書にあるモチベーショングラフ(メンバーの人生を知るグラフ)を書いてもらうことにした。でも書いてくれない人がいた。

「うわぁ...。めちゃあるある…」

私は当てはまること多過ぎて震えがでた。
本の通りに進めてみた。でも絶対うまくいかない。
こうしろと書いてあったからこうしてみた。でも反感がでた。
そんなこと自分は腐るほど経験をしてきていたのだった。
ちょっとそのときの話を紹介したい。

失敗論:本の通りにやったってうまくいくわけないだろ!

これは約1年前、私の会社がちょうど組大きな組織の体制変更を実施しようとしたときのお話。私はその体制変更のリーダーとして動いていた。私たちの組織は、MBOからOKRの制度運営に。機能別組織からプロジェクト別組織への変更を動かしていた。

私は当時、事業部が作ろうとしている組織体制についてはトップから降りてきたばかりで、まだまだ実際落とし込めてるものでもなく、日々勉強中で、何が正解かわからずにもがき苦しんでいた。

そんなときに頼りにするのは「本」だ。私は結構ビジネス書を読むが好きで、なにかおすすめのものがあればすぐ手にとるようにしている。

社会人数年目のときの「本は読んだだけじゃなくて、具体的に行動に落とし込むか意味がない」という先輩の教えをもとに、なるべく自分の頭で考えて、著書をインストールし、行動に移すようには心がけていた。

(これは実際にかなりその通りなところはあるかなと思っており、一応実践して綺麗にうまくまとまったかな...という内容は以下の記事にまとめてます)

今回の体制変更もそうだった。私には参考にするべき教科書があった。これらの著書は社内でも「読んでくれ」と言われている図書である。この通りに進めるべきだ。これをインストールしなければならない。私はそれが正解だと考えていた。

私は事業部長の意図を汲み取ろうとしながら「こういう組織づくりをせなあかんのや」と常に仕組みを考え、本を読み、アップデートを繰り返していた。最初はこういう定義で進めていたが、どうやらこのルールだとうまくまわらない。あれ、本ではどうなってるだろう。なるほどこうするのか。じゃぁこういう風に進めよう。このループを繰り返していたのだ。

しかし、どうもこの通りにやってもうまくいかない...。本では運用業務をOKRに含めるなと書いてある...。だからやめるべきだといった。でもそうするとルールが変わるから多方面がばたつく。こんな具合だ。何かを見てはなにかを変える。私のやり方はかっこよく言えば朝令暮改。言い方を変えれば行き当たりばったり。その基準はいつも本にあった。

こういうルール変更はめちゃくちゃ現場のストレスを生むことになる。その結果、私は少しずつ信頼を失っていった。

#誤ったう ◯こリーダーシップ
本の通りに物事を進めようとし、チームにとってベストな状態がなにかを探ろうとせず不信感を生む。

失敗論:正解を押し通せばいいと思ってんの?

「うちにはうちのやり方があるだろう」

本を中心にそのとおり忠実に進めようとしてたとき、同僚の一人に厳しめのトーンでこう言われたことがあった。

私は最初、この言葉の意味が理解できなかった。「何故組織作りの土台になってる本からまず学ばないのか?」「一回これをやりきらないと何もわからないのではないか?」私は言われた言葉を理解できず、(その当時は自分の考えをおしきったか何をしたかわすれたが)深く考えずに本の通りに組織運営を進めていた気がする。

結果、「正解通り(本の通り)進めなければならない」という私の固い頭はメンバーとの軋轢を生んだと思う。私は自分が正解だと考えていた。私はそれを譲ろうとしなかった。

#誤ったう ◯こリーダーシップ
正解を押し通し、責任をとることがリーダーシップだと考え、間をとる決断を考えようとしない。

恐らくこれもチーム運営においてストレスフルな状況を作った要因にあると私は思っている。結果、部門の空気は悪化し、私も精神的に追い詰められ、マネジメント職を降りることになった。

リーダーシップにおいて正解なんてない。マネジメントには敵がつきものだ。この意見を通そうとすれば必ず反対はおきる。こちらをたてようとすればかならずあちらが嫌な思いをする。リーダーシップとは人とぶつかりながらも、その中でバランスを取り続け前に進み続ける「コンタクトスポーツ」なのであり、正解を推進していく仕事ではないのである。これは実体験としては経験していたはずのことだったが、言語化されることでめちゃくちゃ身にしみいった。

人と向き合い、バランスを取り続けろ!

「書を捨てよ。メンバーと話そう」

田端大学の定例でスライドに写った言葉が1年後の私の胸にぐさりとささる。
私は普遍的答えをいつもどこかに求める癖がある。必ず正解の判断をしなければならないと考える癖がある。

ただし、リーダーシップや判断に正解などない。「THE TEAM」の言葉を借りれば「最適解を常に探ること」こそがチーム作りであり、リーダーシップのリアリティなのである。この常識を知らずして本からのみ学び、その通りに実践しようとすると壁にぶつかり、迷宮入りすることになりかねない。

(これをまぁしれっとうまく人間関係保ってやるような人もいると思うのだが、真面目になにか突き通そうとする人ほど恐らくこの失敗にハマりやすい気はしている。)

これからリーダーシップをとる人へ

前提としてTHE TEAMはむちゃくちゃいい本であると思う。「判断の方法はこういうものがあるんだ」「目標にはこういう種類のものがあるんだ」それらの法則を知ることはめちゃくちゃ重要だと思う。

でも、事業運営やリーダーシップにおいて、本や人の言うことをそのままインストールして進めていくことには限界がある。本1冊で事業課題が解決するなら、どんな会社も業績絶好調なはずだ。事業にはバランスがある。普遍的な正解はない。(結構田端さんの言葉を借りちゃっています)


判断には必ず大なり小なりの敵がつく。その当たり前を無視してねじ込めようとすると必ず壁にぶち当たる。今回の田端大学の定例で私は過去の失敗要因が個人的にはかなり府に落ちたところがある。

繰り返しになるが
・リーダーシップはコンタクトスポーツだ。
・リーダーシップには必ず敵がつく。
・リーダーシップには普遍的な正解はない。

私みたいに、本の通りに進めて「うまくいかなかったぜ!」となり、そのまま思い込んでしまうとどツボにはまる。教科書通りに進めてうまくいかないことが当たり前なのだ。

上記のことは、また大きなプロジェクトを動かす機会があったとき、自分の戒めとして心に刻んでおきたい。そして可能であれば1年前の自分の頭にぶちこんでやりたい気分である。

なお、「THE TEAM」の著書の麻野さんの言葉が「THE TEAM」という法則をつくることにこだわった理由がとても素敵だったので最後に紹介させて欲しい。

『人が人を分かろうとするなんていうのはおこがましい話である。それでも後世に残すことができる[法則]に浪漫を感じて取り憑かれている。』

以上、とても良い会で良い本でした。

※最後に
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