死ぬのが死ぬほどこわいんだ
先日「noteを始めて3年が経過しました」と通知が届いた。おめでとうございます!みたいなテンションのその通知と対称的に、私は「3年も経っちゃったか…」と落胆した。
その胸の内を夫に吐露したところ、見事に詰められましたのでここにしたためます。
今の私は一般企業に籍をおいて安定した収入を得て、結婚して子どもも生まれて幸せな日々を送っている。こんなに満たされているのだから、noteやらで書いた文章なんてそんなに読まれなくたって良い。文章を書くこと自体が楽しいのだから、ただ書き続けられればフォロワーが増えなくても良い、と自分に言い聞かせるように文章を書いてきた。本当はその奥に蓋をした気持ちがあることに気づきながら、毎日を過ごしていた。
本当は、周囲の人たちがどんどん有名になり、さまざまなメディアで取り上げられ、書籍を出し、フォロワーが何万人にも増えていくのを見るのがとってもとってもとってもとってもとってもとってもうらやましかった。
(広末涼子さんの「大スキ!」と「とっても」の数が同じことに気づきましたか?)
周りが突き抜けていくたびに「お前は大したことないのだ」、と現実を突きつけられるような気持ちになった。だけど「私は趣味でやってるんで(笑)」と言っておけば、たとえ結果が振るわなくても「ああ、あの人は本気で文章でどうにかなりたいわけじゃないからね」と思ってもらえて逃げられる。
・・・・・・
引くほどダサッッッッ!!!!!
私が高校生の時にめちゃくちゃ着てた「DREAM FACTORY(訳:夢工場)」ってプリントしてあるトレーナーくらいダサい
「クソダサ右大臣」に改名しようかな
要は、文章の書き手として死んでいると思われるのが死ぬほど怖くて、防衛線を張っていたのだ。
メディアからお声がけいただき、何度か書かせてもらったこともあった。でもいいものが書けず、期待に応えられずに終わった。最後のもう一踏ん張りが私にはできず、チャンスをいくつも逃したのだった。
そう吐露したところ、夫は言った。「なんでもう一踏ん張りができなかったの?」と。
私「分からない…… 文才がないからとしか……」
夫「声をかけてもらった経験があるんだから、文才はあるでしょ。恐らく、やる気だよ。あなたの書く上でのエンジンになるものって何?なんで書いてるの?もはやエンジンがないんじゃない?」
私「エンジンはあるよ。最近は、睡眠時間も削って書いたりしてるし・・・」
夫「それは最近たまたま記事を書いてて、その単発の行為に対する慣性で頑張れてるだけでしょ。もっと長期的に頑張り続けられる、いざというときに頑張り切れるエンジンは何?」
私「エンジン・・・」
夫「たとえばルフィはなにをおいてでも『海賊王になる』って言う、めちゃ強なエンジンを持ってるよね。あなたはあれくらい強固なエンジンを持ってる?」
私「すみません、ルフィさんほどのものは・・・・・・」
夫「あなたのエンジンはそもそもあるの?あるとしても明確になってないんじゃないの?たぶん今成功してる人たちって、強いエンジンを持ってるはずなんだよ。その状態でひとつひとつの記事を書いてるんでしょ。あなたのエンジンは何?どうなりたいの?どこを目指してんの?」
途中からリクルート社員に詰められているのかと錯覚したけど正論すぎてぐうの音も出ない。
私は「とりあえず面白いと思えるネタが見つかったら書こ~っと」と適当な気持ちで適当に書いていた。だからネタが見つからなければ永遠に書かず、結果的に更新頻度も落ち、焦りばかりが募るのだ。
夫とこの話をしたとき、私は日食なつこさんの「エピゴウネ」という曲を思い出していた。改めて聴き直したら、心がズタズタに引き裂かれた。
あの日夢を乗せて打ち上げた
ロケットの軌道を今日も把握してるか
離陸に歓喜の声を上げて
それっきり終わってはいないかな
終わってるよ
なつこ~! アタシ、それっきり終わってるよ~!
なんでわかるの? 生き別れた姉?
noteを始めてすぐの頃、私はある記事でバズった。もう3年近く経つのに、未だにそれを引きずり、自分を「バズった記事の人」だと思いこんでいるふしがある。いまnoteにいる人であの記事を知らない人なんてめちゃくちゃいるだろうに、どこか有名人気取りの自分がいた。
恥ずっ
この事実に気づいたとき、恥ずかしさで枕に顔を埋めすぎて枕と顔が完全に一体化しました。
日食なつこさんはこうも歌っている。
情熱だけで生き残れたら どいつもこいつもヒーローだよ
守りたいのならそれなりに飛べ
背伸び程度で届くような空ではない
これ以上やめて~!って叫んじゃったよね。言われたくないことをズンズン言ってくる、この曲。ズンドコ節って呼ぼうかな(?)
自分の記事が伸び悩んでいることに気づきながらも、これまで通りになんとなくで書いていればいつかどうにかなるだろうと、淡い期待をしていた。でも私が到達したかったのは、私ごときが背伸び程度で届く空ではないはずだ。
というか、全力でジャンプしている姿を見せるのは格好悪いと思ってしまい、姿勢を崩せないでいたのだ。本当の気持ちを見てみぬふりをしてスカしてる方が、1000000倍格好悪いのに。
これまでフォロワー数も普通に気にしていたし、書いた記事にスキがどれくらいついているか、30分ごとに確認したりもしていた。それなのに「いや、趣味でやってるんで…(笑)」とヘラヘラしながらやり過ごすのは、「バレンタインとか興味ねーし」って言いながら下駄箱開けるときめちゃくちゃ期待してる中学生男子とまったく同じ心理状態です。行動と気持ちが一致してなさすぎる。工藤新一が見たらマジのトーンで「バーロー」って怒るレベル
私はこれまで余裕ぶってたけど、本当は尊大な羞恥心と臆病な自尊心が心のなかに渦巻いている、今にも虎になりそうな人間なのだった。
そのくだらねー羞恥心と自尊心をブッ壊すために、ここからは本音を絶叫させてください。
ハァ、ハァ、ハァ・・・せっかくだから願望を全部言ってやったぜ・・・
ということで、これからは、これまで以上にがむしゃらに泥臭く書いていきますので、何卒よろしくお願いします。
おわり
▼ 私のこれまで書いた記事まとめはこちらです
【本日の一曲】 虎 / ハンバートハンバート
ありがとうイン・ザ・スカイ