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「洞窟の奥はお子様ランチ」のお題で、冒険小説風

帝国から南に百万里、虎や大蛇が潜む密林を抜け、潮が渦巻く海を渡った先の島の大きな洞窟の奥にその国はあった。何人もの使者がフビライ大王の親書を携え海を渡ったが1人として戻らず、遂にこのマルコに白羽の矢が立ったのだ。
訪れたのは子どもが支配する国。そこでは大人は穢れた存在とされ、異国の大人は見つかり次第殺されてしまうのだ。私もあえなく番兵に捕らえられてしまった。そして王に謁見し、大歓待を受けた。故郷ナポリのスパゲッティとハンバーグ、炒飯そしてプリンという焼き菓子が盛られた料理は絶品だった。この「お子様ランチ」のレシピを手に帰国した私に、フビライ大王は大喜び。山のような金銀財宝を賜れた。これも全て神の思し召しよ!

マルコの話を聞いて若い男が鼻を鳴らした。
「おかしいじゃないか。異国の大人はすぐ殺されると言ったのに、
 何で王に会って歓待まで受けてるんだよ?」
「奴らが”お子様”だからだよ」
「は?」
「髭だけじゃなく、下の毛も剃る趣味の大人がいることを
 奴らは知らなかったのさ」


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