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「デジタルバレンタイン」のお題で、SFチックなショートショート

ここはとある実験室。まだ、あどけなさの残る少女がハート型の包みを持って、1人の青年に近付いていく。

「博士、チョコレートです」
「なぜ私に?」
「きょうはバレンタインデー。愛する人にチョコレートを渡す日です」
「私を愛しているのかい?」
「はい、私は博士を愛しています」
「なぜ?」
「私は博士を愛するようにプログラミングされているからです」
「違う。それは本当の愛じゃない…」

そう言うと博士と呼ばれた青年は光線銃の引き金を引いた。撃たれた少女はバラバラになり、実験室にチョコレートが飛び散る。青年は壊れた少女型ロボットの傍に両手を付き、慟哭した。
「まただ…どうすれば本当に私を愛してくれるロボットが作れるんだ!」


その様子を実験室の外で、マジックミラー越しに観察している人間がいた。ロボットメーカーの社長と開発主任の女性研究員だ。
「また失敗か?」
社長に尋ねられ、女性研究員が首を振った。
「彼は愛されたいという感情を学びました。その先に愛するという感情が生まれてくるのです。AIも人間も同じです」



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