今いるお客様を大切に

新たな顧客開拓も大切だが、何より今いるお客様との関係を維持したり、深めたりすることを重視する。

このような企業と外部集団(顧客・取引先・社会等)との関係に着目するマーケティング概念をリレーションシップマーケティング(関係性マーケティング)というらしい。

お客様にサービスや商品を買ってもらうための商法というより、お客様に買ってもらった後にお客様と信頼関係を築いて、さらにサービスや商品を買っていただく、契約更新していただく、はたまた、そのつながりによって新たな顧客を取り込む商法といったとこだろう。

以下、このようなマーケティング手法が今日重要視されるようになっている①〜③の事情や背景を挙げた上で、リレーションシップマーケティングに対する自社の取り組みや自分の考え等を述べていきたいと考える。

①,まず、多くのサービスや商品が行き渡り、市場が飽和状態にある日本社会では製品やサービスの寿命が短くなっており、顧客を自社製品に留めるための方策が必要となっていること、が挙げられる。


②,次に,20%の顧客で80%の売上高を構成することが多いとする80対20の法則に対する有効性の認識が高まっており、この20%の顧客の維持が重要な課題になっていること、が挙げられる。

③,さらに,サービスや製品の高度化に伴うアフターサービスやメンテナンスの重要度が増し、取引先との継続的な関係を無視することができなくなってきていることも挙げられる。


確かに現在の警備業社は全国で9000社を優に超えており、兵庫県下でも500社以上がひしめくこの状況下で、新規顧客の獲得は困難となっていることから少なくとも今の形態の警備業は飽和状態にあるといえる。この場合、主要顧客を維持する方策の必要性が高いといえよう。

そういった理由から自社では主要だと思われる取引先と現場レベルでミーティングの機会を設けたり、取引関係者との電話での意見交換を盛んに行っている。お客様の要望やニーズを把握して警備業者としてどこまでやれるのかを検討するとともに、警備上・法令上の情報や提案すべき事項をお伝えするためである。これにより取引先との信頼関係を深めることを考えている。

ただ売上高自体が低くても、長期に渡ってお付き合いのある取引先の場合もあるので注意が必要である。その選定については取引先を「R:Recency(最終購買日)」「Frequency(購買頻度)」,「M:Monetary(購買金額)」の3つの観点でそれぞれポイントをつけ、その合計点により、取引先をランク付けして管理していくRFM分析の手法を活用すべきと考える。


今いるお客様の心をしっかりつかまえた上で次に行く。特にウチのようなB to B (企業間取引)主体のサービス業者にとっては大切な観点であろう。

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