警備教育が意味を持つための条件
この前、1号業務(施設警備)における警備員指導教育責任者(以下指教責)講習を受講し、無事最終日の指教責の試験にパスした。営業権的な意味合いのある資格だけにその取得の意味は大きいので素直に受かって嬉しかった。
それはそれでよかったのだが、何よりよかったのは教育・指導の意味を考えるいい機会になったということ。ある講師が「製造業なり小売業にとっての売り物は工業製品なり、商品といったモノなのだが、警備業にとっての売り物は警備員そのものである。ゆえにその警備員の質を上げる教育が大変重要」という旨の話をなされていた。
確かに警備業にとっての一番の売り物は隊員が行うサービス。しかしそれはモノじゃない目にみえないものなので誤摩化しが効きやすい。それを防止するためには教育を施すなり、やる気になっていただくことが必要。にもかかわらずそれはすぐに効果に現れにくいし、お金がそれなりにかかる。なので多くの警備会社は法律に定められた教育を形だけこなし、それ以上のことはほとんどやらない。その結果、警備員の質は一向に向上しないどころか、逆に下がる一方になるのである。安きに流れることが逆に自分たちの首を絞る結果となっているのが現在の状況といえる。
これを打開するためにはどうすべきか。①まずは会社の方向性をはっきりさせることが何より大切なのではないか。そうすればその方向にとって理想的な警備員像というのが自ずからはっきり見えてくる。そうすれば評価項目を作ることができるようになり、日常業務という具体的な文脈の中にその像を落としこむことができるようになる。それとともに②その会社の従業員のサービスレベルの現状を把握することが必要になる。
①の方向性と②の現状のギャップを埋める作業が教育だと自分は考える。だから逆にいうと会社の方向が定まらず、従業員のサービスレベルの現状が把握できない状態でいくら教育、教育と声高に叫んだところであまり意味がないと思うのである。
①は自分がやるとして問題は②である。やはり隊員を公平に評価するしくみを会社が作るとともにそれを評価できる現場のリーダーを見いだすか、育てて行く必要がある。自分が全部それができる零細以下なら問題はないが、一定程度以上の規模の会社ではそれは無理だろう。弊社も零細以上の規模を有するので無理だと考える。
つまり弊社で行う教育が意味を有するようになるためには組織の確立が必要不可欠と考える。今その過程にあるのが現状といったところか。
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