日本の警備業の労働生産性を高くするには

1. 働き方改革の影響なのだろうか。最近よく労働生産性という言葉が聞かれる。

中小企業白書2017年版によれば日本の労働生産性はOECD加盟諸国35カ国中22位とあまり高くない水準だ。

2. ではこの労働生産性はどのようにして決まるのか。そして日本の警備業のそれは高いといえるのか。その計算式が問題となる。

この点について労働生産性は付加価値額を従業員数で割ってもとめられる。この場合の付加価値額はほぼ粗利と考えてよい。

警備業の場合、警備員の人件費はほとんどの場合、実質的に売上原価としての変動費と評価でき、かつその比率は高いので粗利は一般に低くなる。よって一般に付加価値額も低いと評価できよう。そして警備は一般に1現場1人あたり何円の世界。なので従業員数と金額が連動している世界。

よって最近の人手不足による警備料金値上を勘案したとしても全体として日本の警備業の労働生産性は低いものといえよう。

3. では日本の警備業の労働生産性を高めるにはどうすればよいか。

労働生産性を高めるには、分母たる従業員数を減らすか、分子たる付加価値額を上げるしかない。

警備業の場合、上記のように収益の性質からいって分母の従業員数を減らしてもあまり意味がない。だって人がいて成立する仕事なんだから。

やはり分子の付加価値額を増やして行くしかない。そのためには1人あたりの売上を伸ばすか、労務単価(1人あたりの給料)を減らすしかない。しかし給料をへらせば人が辞めるし、入って来ないだろう。よって後者はありえない。

やはり、うちが一部の部門で行っている人件費を固定費化して形式・実質両面で販管費に変えるやり方のも一つの手だが、何れにせよ隊員1人あたりの売上高を伸ばすしかない。そのためにはサービスの差別化を図って行く必要がある。

結局いつものそこに行き着くわけだ。

急がば回れ。やはり大切な事は課題に正面から向き合い続けるべきということなのだろう。



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