警備にとっての「バランシング」とは

仕事の量と提供出来る商品・サービスのバランシングはどんな仕事でも難しい。

そのバランシングを実行するに際し、トヨタのジャストインタイムという思想は参考になると思う。

ジャストインタイムとはすべての工程が、後工程の要求に合わせて、必要なときに、必要な量だけ生産(供給)する生産方式のことをいう。

その狙いは中間仕掛品の滞留、工程の遊休を生じないように、生産工程の流れ化と生産リードタイムの短縮にあるという。

そのための工夫として従業員の多能工化を押し進め、協力会社にもその考えを伝え、協力していただける体制を構築している。

またあんどんなど目で見える管理を徹底するなどして機械設備の異常発生時に自動停止させ、ムダと異常を顕在化させる自働化や後工程引取方式を実現する際に、かんばんと呼ばれる作業指示票を利用して生産指示、運搬指示をするかんばん方式というシステムを作り上げている。


警備業のウチにとっても仕事の量とサービス提供者である人の数とのバランシングが1つの肝といえる。

この人手不足時代、人を多く確保したい。でも多く採用しても、彼らに充てる仕事が足りなかったり、あったとしてもポット契約の比率が多すぎて時期によって仕事量が安定しない場合や、そもそも充てる仕事を嫌がる、能力的にできない場合がある。

製造業と違い、警備業にとっての商品は人である。でも人はモノじゃない。感情や人格を持った存在。なので上記バランシングを本当にしっかりやるためには、結局、営業・広告戦略や採用・人事評価の見える化・社員への教育・指導の徹底のみならず、彼らのメンタル管理の次元にまで踏み込む必要がある。

ウチの場合、営業・広告は経営側がやるとして、隊員の管理の多くは隊長の役割。つまり、上記バランシングが上手く出来るかは隊長の力に掛かっている。将来的に隊長に研修を受けていただくなどして管理者教育の徹底を図る必要があるだろう。

ちなみにこのシステムを考案した大野耐一氏は当時アメリカで普及していたスパーマーケットの視察の際に、その商品管理からヒントを得たらしい。やはり、異業種のやり方を勉強したり、観察することはいろんなヒントを得られるのですべきと考える。


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