雑誌「致知」を読んだいただく意味

1.(1) 獺祭で有名な旭酒造社長の桜井博志氏がその著書「逆転経営」の中で、米を作るには、家族や親戚や隣近所で協力し、ムラ全体でも灌漑といった共有物を公平に使用する必要があった。
それが日本人の集団主義につながっていったのではないか、という旨の話をされていた。

ということは稲作を主食とする農耕生活をしていない今の日本人は自己主張をするものを叩く必要性がないということになる。

にもかかわらず、未だに少なからぬ日本人は農耕民としての集団記憶が残っているせいか、悪平等の意識が強く、少しでも外れた生き方をしているものに対して、もっともらしい理由をつけて叩くか、変人扱いする傾向が残っているように自分には思える。

(2) これからの時代、もともと人は違った存在だということを認めた上で、それぞれの個性を認め合う。そういった多様性が求められるように思える。

でもそれをはき違えた“モンスター”が跋扈している。

モンスターペアレンツ、モンスターカスタマー、はてはモンスター社員まで。

2. 他人は他人、自分は自分。みんな違った固有の存在。だからこそ互いの生き方や立場を尊重することが大切で結局自分の個性を尊重することにつながる。

でも社会が成熟して、個性が尊重される今の方が逆に昔よりもそういったお互いを尊重する気持ちが弱くなっているように自分には思える(まああまり自分もえらそうなことはいえないが)。

そんな今こそ多様性の前提となるいろんな人間の生き方の肯定、つまりは道徳を学ぶ必要があるのではないかと思う。

3. それは自社についても同じ。

自社のようなサービス業は人が資本。である以上、警備員の前に1人の社会人として恥ずかしくない人間である必要があると思う。

いい隊員になるにはお客様や仲間の生き方を尊重できる必要があり、そのためには自分の軸を作る必要がある。

そういう考えから、今度の隊長会議から雑誌「致知」の指定記事を読んだ上で感想文を提出してもらうことを始めようと思う。

この雑誌は賛否はあるものの、各業界で偉業を成し遂げた方々や歴史上の人物の生き方・考え方が詰まっている。

こういった本を通して、右にならえではない、より根本的な人としての在り方を学んで頂きたいと考えている。


こういった本をまずは自分や現場のリーダーたる隊長が率先して読む。その事自体が経営者マインド、管理者マインドの養成にもつながると思うのだ。


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