警備業者が固定給制を導入する意味

 ついに弊社のアルバイト以外の院内警備員の給与を固定給とした。半年契約であるものの従来の日給月給制と比べて大きな前進といえる、特に警備業界的な文脈で考えれば…。

 安心して働くために固定給にしてほしいと多くの警備員は望んでいる。固定給にするということは人件費を固定費にすることを意味する。それをするには取引先等から定期的かつまとまったお金を頂く必要がある。つまり年間契約なり半年契約を結ぶ取引先を確保する必要がある。

 しかし、現状の警備業の一般的な取引形態はスポット契約である。何日間かの契約で1日あたり労務単価何円という世界だ。これでは繁閑期が生じてしまい、安定的な経営ができなくなってしまう。

その結果、会社の資金繰りを悪化させないために人件費を変動費にせざるをえなくなり、給与形態が日給月給制となってしまうのである。

 それは弊社についても例外ではない。特に交通誘導警備やセコム関連のお仕事に従事している隊員に関しては固定給にすることは現状では無理といえる。

 ただ院内警備に関しては、3年契約で利益率は悪いものの、比較的まとまったお金が入ってくる。それでも日給月給制と比べるとお金がかかってしまうが電話交換、苦情対応等警備以外の付帯業務の多い(本当に大変なんです)隊員のモチベーションを維持・向上させるためには固定給にする必要性は高いと思う(もちろん病院の契約が打ち切られればこの固定給構想も終了させざるをえないであろう)。

 これはあくまで待遇改善だけでなく、八鹿警備員の就労形態を改善していくための第1歩といえる。もちろん手持ちのお金や収入を増さないことには次の段階には進めないことはいうまでもない。本物の警備の実現は茨の道であることを実感し続ける今日この頃である。

 


 

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