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その手で触れて

 先週金曜日、午後1時より浜松町にあるホテル・アジュール竹芝にて、中小企業大学校東京校の在校生・OB合同研修会が執り行なわれ、自分もOBの1人として参加した。

 今回の研修会で講演されたのは都内・大阪市で音楽CD・レコードを中心に店舗展開している株式会社ディスクユニオン社長の広畑雅彦氏。

 音楽好きの自分としては学生時代にかなりディスクユニオンにお世話になったのでこの講演は楽しみにしてたし、実際参考になった。

 音楽市場の雄として現在どういったマーケティング戦略を打ち立てているのかを中心に据えた講演内容だった。

 ネット配信やYouTube等の動画の台頭により苦境に立たされている音楽業界。その中で最近のLPレコードのリバイバルブームに乗ったこともあり現在でも一定の地位を確保しつづけているディスクユニオン。だがそれは「ニッチ」でなく「深耕」だと広畑社長はいう。

 つまり、自分の音楽というのはその手で触れて、その脚で探して見つけるもの。その観点から音楽販売というのをつきつめた結果としてワン&オンリーの細分化された分野にたどり着くのであって、決して最初から「ニッチ」な細分化された市場を狙ったわけではない、と。それは自社の警備サービスにも言えることだと思う。

 講演後、社長との名刺交換の際に、広畑社長から警備はサービスの差別化が難しいかもしれないけど、キーワードは「人」なんじゃないかと言う旨のアドバイスを頂いた。

 確かに現在警備業界でもセコムやアルソックを中心に機械警備サービスがなされ、警備ロボットもどんどん進化を遂げている現在、うちのような中小企業が行きて行く道としては、サービスそのものだけでなくいい意味での人間臭さ・おもてなし的要素を売って行く観点が必要で、それこそが警備ロボットと戦って行くベストなやり方の1つだと思う。翌日に一緒に飲んだ弁護士の友人やこの前飲んだ運送業勤務の友人も各々のジャンルで同じようなことを言っていた。

 最近よく書店やニュースでロボット化・デジタル化が進んで消えて行く職業という話題が出てくる。実際それによって消えて行く職業もあるのかもしれない。でもお客様が人間である以上、いくらデジタル化・ロボット化が進んでも人間らしさを求めるお客様に人間らしさを売っていけば生き残る余地がまだまだあると思う(その工夫が難しいのだが…)。そのためにはその手で触れて、その脚でワン&オンリーのサービスを見いださないといけないと感じた。


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