「小津先生」を想う


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昨日、YouTubeで久々にドラマ「さよなら小津先生」を見た。
元冷徹なエリート金融マンの中年教師が落ちこぼれの学生とバスケットボールを通じての心の交流を描いた名作。

主演の田村正和の名演技が光る。生活感のないクールな役者がこういう役を演じるとそのギャップにやられますね。また古畑任三郎とは違ったとよさがあるというか。

誰だって自分の歴史を持っている。当然その中には今の基準で考えると間違っていることもあると思う。

でも、それを以てその人を悪者だと決めつける判断は、はっきり言ってズレていると思う。

僕だってふて腐れていた時期があった。
その時、多くの友人が自分の下を離れていった。
あの時の自分も今クソな部分があったとは思う。


でも考えてみてほしい。20代後半から30代前半にかけて、大学時代の友人達が弁護士やエリート銀行員や大企業勤務で社会の一線で目を輝かせて働いているのを横目でみながら、進みたくても進めない人間の気持ちを。

それでも不貞腐れたり、嫌味をいっていい理由にはならない。

でもあの時の孤立感を経験したからこそ今多少ではあるが人に優しくなれていることは確かだと思う。


上手くいかない人の気持ちが分かるから。

それでも不完全な後継社長だが、これでも一応、中小企業の社長としてなんとか社会に関与出来ている。

だから過去の一点を持ってコイツは駄目だとか話にならないなんて僕には言えないし、また言うべきでないと思う。


自業自得な部分はあれど人には人の事情があるし、人はいつでも変われる。


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それは企業でも同じで一回失敗しただけでその時の事情もみることなく、コイツはダメだと切ってしまうと、切らなければ立派になった逸材だったかもしれないのにそれを逃すことになり、本当の意味での人材が育たなくなってしまう。

採用にしても、法律的な問題があるのは別として過去の経歴で普通からはずれてしまっただけでダメだと決めつけて、すぐに不採用にしてしまうと、本当は有能かもしれない人材を逃すことになってしまう。

それでは会社に人が来なくなって潰れてしまう。

このように今の基準や表面的な判断で人を決めつけることは今後もやらないようにしよう、そんなことを昨日ネット見ながら思った。

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